国内初6兆円投信なるか、16年ぶり最高も-個人マネー主役交代を象徴
一方、純資金流入額はオルカンに及ばないが、純資産が4兆6000億円と最大なのが、同じシリーズで米国株に投資する「米国株式(S&P500)」。代田氏は同投信についても過去最大の更新を見込む。
ブルームバーグのデータによると、上場投資信託(ETF)を除く公募投信の中で過去に最も純資産が大きくなったのは、「グロソブ」で知られる外債投信「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」。旧国際投信投資顧問(現三菱UFJアセット)のファンドで、毎月一定の水準の分配金を支払う運用が受け、2008年8月に5兆7685億円の最高値を付けた。
ただ、グロソブの残高は今や3000億円に満たない。同投信の残高減少について、松井証券の海老澤界ファンドアナリストは、リーマンショック後の円高進行が外債運用の重しとなる中、09年に月々の分配水準を引き下げたことが大きかったと振り返る。巨額の運用資産を積み上げながら、相場環境の悪化を機に衰退していったファンドは少なくない。
海老澤氏はオルカンなどに投資する個人投資家の多くが、株安・円高両面からの打撃を経験したことがないと指摘。積み立て投資は「淡々と続けるのがセオリー」としながらも、相場が反転すれば動揺して積み立てを「やめる人が一定程度出てくるのは自然だ」と語った。
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--取材協力:佐藤円裕.
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Satoshi Shizume