闘志を前面に押し出し日本代表に流れをもたらした馬瓜エブリン「みんなのことを鼓舞し続けないといけないと思っていました」
「まだ、この後も代表でプレーできる可能性があってめちゃくちゃうれしいです」
バスケットボール女子日本代表はパリ五輪世界最終予選(OQT)を2勝1敗で終え、パリ五輪への切符をつかみとった。日本が勝ったスペイン戦、カナダ戦でともに勝利をもたらすハイパフォーマンスを見せたのが馬瓜エブリンだ。 今大会のエブリンは、恩塚亨ヘッドコーチ体制になってからは初めての日本代表で、さらに本職の3番、4番ではなくこれまでほとんど経験のない5番で起用された。ただでさえ今シーズンは1年の休養を経ての復帰と、ブランクを取り戻しつつある中で、OQTの大一番を慣れないポジションでプレーするのは本当に難しい役割だった。 しかし、エブリンはそんな不安を全く感じさせなかった。スペイン戦でフィールドゴール11本中7本成功の20得点、カナダ戦でもフィールドゴール10本中7本成功の21得点と大活躍した。逆に日本が敗れたハンガリー戦では、フィールドゴール6本すべてを失敗し1得点に終わっていることが、エブリンの影響力の大きさを示している。 特にカナダ戦のエブリンは、相手が徹底して3ポイントシュートを警戒しガード陣が外から打つのに苦戦する中、長距離砲を4本中3本成功と高確率で沈め、オフェンスの幅を広げる立役者となった。また、日本が劣勢の場面でドライブを仕掛けて相手のファウルを誘い、終盤に値千金のリバウンドをもぎとるなど、ここ一番での勝負強さも申し分なかった。 エブリンはパリ五輪出場を決めた喜びを「まだ、この後も代表でプレーできる可能性があってめちゃくちゃうれしいです」と語った。 日本はファウルトラブルに苦しみ、ゴール下の要である髙田真希はわずか15分半のプレータイムでファウルアウトしてしまった。それでも、エブリンはチームに動揺はなかったと明かす。「ベンチから誰が出てもリバウンド、ディフェンスをやりきれるメンバーだと思っていました。リツさん(髙田)がファウルトラブルになってしまっても悲壮感はなかったです。出た人がみんなやってやるぞという気持ちでプレーしたのが良かったと思います」