木村拓哉「Believe」があぶり出した俳優業の現実 木村、稲垣、草なぎ、香取”元SMAP俳優”の現在地点
なかには木村拓哉さんのドラマでは恒例となった「何を演じてもキムタクに見える」という声をあげる人もいるなど、手錠や脱獄などのシーンに対する反響は制作サイドの狙いほど得られていません。視聴率、ネット上の動きともに、かつてのように盛り上がっているとは言いづらい状況が続いています。 ドラマそのものは「脱獄もの」「冤罪もの」として一定レベルの関心を集め、木村さんはハードなロケに挑むなど熱演を続けていることは間違いないでしょう。ただ、今春の「アンチヒーロー」(TBS系)、「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系)、「Destiny」(テレビ朝日系)、「くるり~誰が私と恋をした? ~」(TBS系)などと比べると、SNSのコメント数もメディアの記事数も物足りなさが残ります。
「ネガティブな声があがりがちな一方で、ネット上の話題にはなりづらい」という苦しい状況にはどんな背景があるのでしょうか。木村さんが2016年のSMAP解散報道以降に出演した作品を見ていくと、その理由が浮かび上がってきます。 木村さんは、2017年1月期「A LIFE」、2018年1月期「BG」、2019年10月期「グランメゾン東京」、2020年4月期「BG 第2章」、2022年4月期「未来への10カウント」(テレビ朝日系)、2023年4月期「風間公親-教場0-」(フジテレビ系)で、いずれも主演を務めましたが、大半が“医療や刑事などの1話完結モノ”という保守的な作風からか、メイン視聴者が中高年層にとどまるなど話題性は今一歩。SMAPの解散騒動で下がってしまったイメージを上げるほどのインパクトを与えられず、新たなファン層を開拓できずに年月を重ねています。
■「新しい地図」3人の俳優業にヒント その間、木村さん自身、年齢を重ねて50代に突入。これは民放各局が最も求める「コア層(13~49歳)の年齢層から外れた」という事実であり、だからこそより「若年層の支持を得られる50代俳優なのか」が問われる状況に直面しています。 さらに、昨年のジャニー喜多川氏による性加害問題とジャニーズ事務所の対応が問題視されたとき、たびたび木村さんの無配慮なSNS投稿が批判を集めてしまいました。20代のころから変わらない若者風の言葉づかいに対する疑問なども含め、ネガティブな点で話題になるケースが続くという状況が起きているのです。