鹿児島県知事・鹿児島市長・県警幹部 トップが語る2025年の展望
鹿児島放送
今年もあと1週間あまり、県・鹿児島市・そして今年注目された鹿児島県警の幹部がそれぞれ2025年への展望を語りました。 【県警 岩瀬聡本部長】 「今回色々起きたことを決して忘れずに今後の業務運営に1人1人が生かしていく自分の仕事に生かしていくことが大事と思っています」 県警では今年、情報漏えいや盗撮などで3人が有罪判決を受け、前の生活安全部長が主張する本部長による事件の隠ぺい疑惑も注目されました。 10月には被害者の相談に適切に対応しなかったなどとして、36人の警察官が訓戒や注意を受け、発表されました。 【県警 西畑知明警務部長】 「前例踏襲に陥ることなく変えていくべきこと変えていくのが重要であり、新しいアイディアや発想に耳を傾け、変化を恐れずこれまでと違ったやり方への挑戦を尊重する」 再発防止策の柱の1つに掲げた若手から本部長に直接提言ができる「改革推進研究会」からは積極的な情報公開や県民に届く工夫をした情報発信を求める意見が多く出ているということです。 鹿児島市の下鶴隆央市長は1期目から課題となっているサッカー等スタジアムの建設について来年こそ前に進める意欲を示しました。 下鶴市長 「しっかりと前に進めていくためには、候補地を選定する段階において、ここであれば県市民間協力して進めていける、こういった合意が取れる候補地をしっかりと探していく必要があります。若い世代をはじめ多くの世代に選ばれる街に必要な機能であると考えておりますので、実現に向けて着実に取り組んでまいりたい」 現在、与次郎の鹿児島サンロイヤルホテルが本港区エリアにある県有地への移転を希望しており、塩田知事や下鶴市長もその跡地が候補地になりうるとの考えを示しています。 また、地域交通の課題についても力を入れていきます。 下鶴市長 「地域交通の維持を巡る行政の関与の在り方ですとか政策課題のあり方について、 特にこの1、2年大きくシフトした。税金で赤字を埋めていくのか、カバーしていくのか。まあこういった議論が主だったように思います。それ以上に人の問題。運転者不足。ここが大いにクローズアップされるようになってきた」 こうした課題を解決するため市は来年、中心市街地から周辺の住宅団地などに帰宅する人たちを対象に、タクシーの相乗りの実証実験に取り組むことにしています。 2024年の振り返りと来年の展望、最後は鹿児島県政の舵をとる塩田知事に聞きました。 「改めてこの1年で最も印象的だったニュースとその理由を教えてください。」 塩田知事 「出来事としてはやはり今年初めの能登の地震というのが大きな出来事だったかなと思っています。」 知事が一番に挙げた出来事は今年、元日に起きた能登半島地震。最大震度は7、死者は災害関連死を含め460人余りに上り、いまも地震の爪あとは至る所に残されたままとなっています。 塩田知事 「本県も離島に加えて半島という地理的特性がある地域なので、半島防災という 視点と言うのは今よく言われておりますが、道路の整備とか港湾に加えて、孤立集落が発生するということを踏まえた空からの支援の在り方とか、あるいは孤立することを前提とした支援物資の備蓄の在り方とかこういったことをしっかりと検討する必要が出てきていると思っております」 知事にとってこの1年は再選を果たし2期目をスタートさせた節目の年でもあります。 塩田県政が信任を得たことで事業費が膨らんだ新たな総合体育館の整備事業も 前進するかと思われましたが、間もなくして暗礁に乗り上げます。 事業の入札が不調に終わったのです。 「この事態は知事にとって想定外だったのでしょうか?」 塩田知事 「建設資材とか人件費、こういったものが急激に上昇しているということで、その枠内に収まりきれなかったということのようでありましたので、中々、予測困難な事態だったかなと思っております」 12月議会で知事は「事業費が増える可能性がある」と述べましたが、金額などは示さず、具体的な議論は来年以降に持ち越しとなりました。 塩田知事 「これから具体的にどれくらいの金額になるのかといったことも含めて議会での論議等を踏まえて対応を検討していく必要があるだろうと思っています」 今後どのような進展を見せるのか注目される新たな総合体育館の整備事業。 来年はそのほかにも医療機関での窓口負担が減る子ども医療費の新たな助成制度が始まるほか、県内初の夜間中学、県立いろは中学校や林業大学校の開校も控えています。 塩田知事 「こういったものはいずれも人材の確保ということの一つというような施策だと思っています。そういった観点からは農業の担い手を育成するという観点から担い手サミットも開催されますので、そういったことも含めて人材確保ということは来年また一歩前進できるように頑張りたいと思います。」 コロナ禍が明け、鹿児島の発展を期待し今年の目標に昇龍と掲げた塩田知事。 2025年にはどんな言葉を選んだのでしょうか? 「毎年恒例になっていますが、2025年の抱負とその理由を教えていただきたいと思います。」 塩田知事 「実というのが来年は乙巳の年ということで、いろんな意味があるみたいですけど、 一つに努力が実る、そういう年だと。いろんな県民の皆さんの努力が実るそういう良い年になるように、私も努力したいと思います。」 「ヘビ年の巳ともかけているんでしょうか?」 「とも言われますが、そこまで深く考えておりませんでしたが、そういう風に」