衆議院選挙宮崎2区・自民党の江藤拓さん「追い詰められたが」…実績アピールし立憲民主党候補振り切る
27日に投開票された衆院選で、宮崎県内の小選挙区は宮崎1区で立憲民主党前議員・渡辺創さん(47)が自民党前議員ら3人を破って2回目の当選を果たし、議席を守った。宮崎2区は自民前議員・江藤拓さん(64)が国民民主党前議員ら2人を、宮崎3区は自民前議員・古川禎久さん(59)が共産党新人を退け、ともに8選を決めたが、自民は2021年の前回衆院選に続き県都・宮崎市を中心とした1区で敗れた。 【写真】8選を確実にし、花束を受け取り笑顔をみせる江藤さん(27日午後11時10分、日向市で)
宮崎2区
12年ぶりに前議員同士が激突する構図となった2区は自民前議員・江藤拓さんが制した。国民前議員・長友慎治さんの追撃を振り切った。
自民に厳しい目が注がれた政治資金問題は、保守地盤のこの選挙区にも大きな影響を与えた。江藤さんは政治資金収支報告書に不記載があった旧安倍派などに所属していない無派閥だが、「緊張感と危機感を持っている」と警戒を強め、国政報告会の冒頭で党の不祥事をおわびするなど苦しい戦いを強いられた。
一方、合併前の旧22市町村に広がる後援会組織の若返りを図り、選挙戦中は選挙区を離れず、組織をフル稼働して都市部や中山間地をきめ細かく回るなど徹底したドブ板選挙を展開。元総務庁長官の父・隆美さんの地盤を継ぎ、7期にわたり2区の議席を守り続けてきた実績をアピールしながら食料安全保障の重要性や九州中央自動車道の整備促進を唱え、推薦を受けた公明党の支援も受けながら支持を広げた。
当選が確実となり、宮崎県日向市の事務所に姿をみせた江藤さんは「追い詰められたが、今回の苦しさは糧になる。古里、日本のために命を燃やし尽くして働いていきたい」と支援者にあいさつした。
国民の長友さんは後援会組織の強化を図り、昨年は週1回ペースとなる50回超の国政報告会を開催。選挙戦では政権交代と世代交代を訴え、3年間で90回近く国会で質問に立ったことを強調し、一定の支持を得たが、江藤さんの牙城を崩すことはできなかった。
共産新人・白江好友さんは自民派閥の政治資金問題を批判し、企業・団体献金の禁止を訴えたが、及ばなかった。