K-PRO代表・児島気奈さんと放送作家・白武ときおさんが語り合う、お笑いカルチャーの今昔。
進化、多様化が止まらないお笑いカルチャー。 裏方としてコメディの世界を生み出し支える二人が、お笑い愛を語ります。 【写真ギャラリーを見る】
お笑いライブを専門に制作する「K-PRO」の代表を務め、東京の若手芸人から〝お笑い界の母〟として慕われる児島気奈さん。『アメトーーク!』で〝K-PROライブ芸人〟が特集されるほどの存在感を放っています。2021年にオープンした常設劇場「西新宿ナルゲキ」は、M-1グランプリで優勝したウエストランドなど、今をときめく芸人を次々に輩出。 放送作家の白武ときおさんは、32歳と若手ながら『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』をはじめとする人気テレビ番組や、霜降り明星などのYouTubeチャンネルを担当する売れっ子です。ライブと映像、それぞれの笑いを裏方として支える二人が見る、コントの歴史、そして最前線とは。知っておきたい若手芸人も教えてもらいました。
児島気奈さん(以下、児島) 私がお笑いに興味を持ち始めた’90年代は、『ボキャブラ天国』がものすごくブームで、爆笑問題さん、ネプチューンさん、海砂利水魚として活動していたくりぃむしちゅーさんと、当時の若手芸人さんが大人気でした。 そうしたテレビのスターに会えると思ってライブに行ったら、まだテレビには出ていないけども面白い、年齢も近い人たちがたくさんいて、親しみを覚えたんです。それからライブに目覚め、22歳でK-PROを立ち上げました。
白武ときおさん(以下、白武) 僕がコメディに初めて触れたのは外国の作品で、子どもの頃は『Mr.ビーン』『トムとジェリー』をずっと見ていました。 それから、ダウンタウンさんや島田紳助さんが好きだった父親の影響もあってテレビのバラエティを熱心に見るようになり、中学時代に『笑ってはいけない』シリーズ(※『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の特別番組。年末番組としても人気を博す)に出合い、「一番面白いテレビ番組だ」と衝撃を受けたんです。 学校が終わったらひたすらお笑いのDVDと映画を観ていましたね。当時、TSUTAYAで10枚1000円でレンタルできたんです。それで、ダウンタウンさんの番組や、千原兄弟さん、バナナマンさん、おぎやはぎさん、ラーメンズさん、バカリズムさんなどの濃厚な単独ライブを見るようになります。大学に入ってからは、お笑いサークルを手伝うようになり、放送作家の活動を始めました。