最大の後悔は「自分の心に従わず、安全、安心、地位を選んだこと」私たちが生きる上で犠牲にしてること
---------- 全米を代表するエリート大学の学生たちが、死を身近に感じるレッスンを受けることで、自らも語り、そして変容し成長していく。実際の感動の授業を再現。 スティーブン・マーフィ重松氏は、スタンフォード大学でマインドフルネスやEQでグローバルスキルや多様性を高める専門家として知られる。そんな著者の『スタンフォード大学 いのちと死の授業』から、すべての年代の人々へ向けて「よりよい生き方」へのガイドとなり得る章をご紹介します。 前編記事<死を意識したスティーブ・ジョブズの言葉から、人生に大事なものを考える> ---------- 死を意識したスティーブ・ジョブズの言葉から、人生に大事なものを考える
何かを信じること
スタンフォード大学での卒業式で、ジョブズは「信じること」について語りました。彼は50代で、数年後にいのちを落とすことになる膵臓がんに直面し、それを克服しつつありました。彼の言葉には、知恵、成熟感、受容、思いやりがあります。彼は自分の人生を振り返りながら、何かを信じることは心に従う勇気を与えてくれるという真実、自分の人生におけるさまざまな出来事――点――がどのようにつながっているのかを見られるようになりました。これは、若い頃にはわからなかったということです。 点には、成功、成果、獲得、賞など、私たちが良いと思うものが含まれています。一方で、失敗、間違い、敗北、損失、病気など、私たちが悪いと思うものも含まれています。ジョブズには、それらひとつひとつがすべてつながっているのが見えました。そして、その混沌の中に秩序があることも、振り返ってみてわかったというのです。 「点と点がつながるという信念が、心のままに行動する自信を与えてくれる」 ジョブズは、私たちは心の中で何をすべきかを知っていると信じています。しかし、私たちはそれを実行することを恐れていることが多いのです。私たちの心が私たちにやれと命じたことが、世間的に安全で安心な道からはずれた道であれば、行動を起こすことが一層難しくなります。 慎重さや臆病さを求める社会的な制約にとらわれず、大胆に生きるためには、何かを信じなければなりません。ジョブズは、本能、直感、運命、カルマなど、いくつかの例をあげながら、それは何でもいいと言っています。私たちも、信じるべきものを見つけることが大切なのです。