全裸の若者を身代わりにして厄払い!?死ぬほど過酷で参加者激減の「上野間裸まいり」に挑む若者たちに密着
愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」や岐阜県大垣市の「宝光院はだか祭」など、東海地方には、「ほぼ裸」で行われる様々な祭りがありますが、なんと本当に"素っ裸"の祭りが愛知県美浜町上野間地区にあります。正月に行われる極寒の厄払い!過酷すぎて参加者が激減するなか、それでも頑張るアツき思いをタレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が取材しました。 【動画】コンプライアンス…ギリギリ!全部丸出しの男たちがブルーシートで隠される禊の様子がこちら【3分40秒~】
生まれたままの姿で極寒の海に飛び込む!命がけの禊
愛知県美浜町上野間地区に江戸時代から伝わるという「裸まいり」は、大みそかから元旦にかけて行われます。大みそかの夜、宿(やど)と呼ばれる公民館に集まっていた人たちにどんな祭りか尋ねました。 (厄男・鈴木保行さん) 「自分たち(厄男が)直接何かやるってわけではない。身代わりで若い衆に…」 「裸まいり」とは、新年に本厄を迎える男たちに代わり、町の若衆が厄払いをする変わった祭のようです。その理由を、野間神社で尋ねました。 (氏子総代・大﨑申示さん) 「それ以上(の年齢)は無理。死んじゃう。恐ろしい」 厄男本人がやると死んでしまうほど過酷だといいます。0時を迎え、年越しが終わると宿を出た若衆。すぐ傍に特設されたお風呂で体を温めます。その後、ふんどし姿で体を寄せ合い、向かった先は深夜の伊勢湾「新田海岸」! 封鎖された海岸に着くと、突如ブルーシートに覆い隠される若衆。その様子は、まるで犯行現場さながらですが、その理由は厄払いを任された若衆の体を生まれたままの姿で清める、厳重な禊のため。 海岸の封鎖とブルーシートは、一般人の目に見えないようにするため。今の時代に合った特別措置でした。水温8.8度、体の芯まで凍りつかせるまさに極寒の禊です。
水の次は火あぶり!?「伊勢音頭」を歌いながらお参り
これこそ上野間の正月の伝統行事「裸まいり」ではなく、ここからが本番だといいます。 (若衆) 「こっからです!歌を歌いながら神社とかを練り歩いて」 裸になって清めた体で、町にある7か所の神社にお参りするのが「裸まいり」。午前1時半、宿で専用の装束に着替えたらすぐに出発します。帰るまでの道のりは約3キロ、この苦行が2時間続きます。 一方その頃、宿に残っている厄男たちは静かに待機。主役である厄男たちは、宿で若衆の帰りを待つのが習わしです。 午前2時半、若衆たちは「伊勢音頭」を歌いながら集落を歩きます。その昔、上野間には海を挟んだ伊勢との海上運搬が盛んだったことからその文化が根付いているといわれ、平和を祈る「伊勢音頭」を歌うことも厄払いの作法です。 道中の神社では30分以上足を止め、お清めの火のそばでひたすら伊勢音頭を叫び続ける時間も。焚き火には若衆の体を温める意味もありますが、消防団が慎重に炊くギリギリの火にあぶられる様は、まるでオーブンで丸焼きにされる食材のよう! 夜風が吹き抜ける公道沿いの「二月堂」に、山の上に登った「秋葉神社」など、7つの神社仏閣に着々とお参りをこなしていく若衆。 極寒の水攻め、灼熱の火攻めに加え、わらじを履いた足の痛みにも耐えながら「裸まいり」は続きます。