舞台「有頂天家族」中村鷹之資と濱田龍臣のダブルキャストで G2が脚本・演出
大勢の狸が人間に化けて暮らす京都で狸、天狗、人間が繰り広げる騒動を描いた舞台「有頂天家族」が東京・新橋演舞場で3日から上演される。原作は、森見登美彦の同名小説。主人公の下鴨矢三郎を歌舞伎俳優の中村鷹之資(25)と俳優の濱田龍臣(24)がダブルキャストで演じ、演出家・劇作家のG2が脚本・演出を手掛ける。 伝統芸能以外の舞台は初めてという鷹之資は、出演オファーを受けたとき「本当にびっくりした。全然経験もないし、どういうものかも分からず不安すら湧かなかったがすごくうれしかった」と振り返る。 鷹之資らが演じる矢三郎は下鴨神社の境内に暮らす誇り高き狸一家の三男で、父から〝阿呆の血〟を受け継いだという設定。濱田は矢三郎の役どころについて、「けんかっ早いのもそうだし、あとは阿呆であるという真っすぐな部分。『面白きことは良きことなり』という父の言葉を、一番大切にしている」と紹介。 鷹之資は「面白いか、面白くないかで生きているというのが矢三郎の根底にあると思う。すごく純粋で何に対してもエネルギーがあふれてしまう。憎めなくて愛嬌もある。大好きなキャラクターなので、お客さまにも愛していただけるような役にしたい」と意気込む。 G2は「2人はいい感じで〝出身地〟が違うので、変なぶつかりがない。和の動きについてはこっち(鷹之資)、心理描写についてはこっち(濱田)が先生なので、すごくいい関係だと思う。それぞれキャラクターが違うので、ぜひ両バージョンをみていただきたい」と笑顔を見せた。 11日まで。(水沼啓子)