熊本城・石門北側、石垣積み直しへ「築石」撤去 26年3月復旧めざす
熊本地震で大部分が崩落した熊本城石門北側石垣の復旧に向けて、熊本市は12日、石材の回収作業を始めた。2026年3月までに復旧する予定。 熊本の文化・芸能
市によると、石門北側石垣は東西35メートル、南北20メートルのL字形で、高さは8メートル。国指定重要文化財の平櫓[ひらやぐら]西側に隣接し、1599(慶長4)年~1607年ごろに築かれたとみられる。 作業は、石垣外側の「築石[つきいし]」110立方メートル(約400個)を撤去した後、崩落した築石を含む400立方メートル(1300~1400個)を積み直す。耐震補強のため、石垣内側に詰める「ぐり石」の間に、ぐり石の沈下を防ぐための樹脂製シートを挟み込んでいく。この日は、大型クレーンを使って築石をつり上げ、チョークで目印を付けながら運び出した。 また、市は積み直しがほぼ終わった平櫓台の石垣の内側に、子どもらがメッセージを書いたぐり石を敷き詰める作業を公開。市熊本城総合事務所の岩佐康弘復旧整備課長は「メッセージを書いた石が本物の石垣に組み込まれることは、子どもたちにとって良い思い出になる。こうした思いを支えに、復旧へ頑張っていきたい」と話した。(山本遼)