アジアリーグ 釧路のトップ選手散り散り ワイルズや他チーム移籍
アジアリーグアイスホッケーは、2024―25シーズンの試合日程を公表し、出場5チーム(日本4チーム、韓国1チーム)も選手・スタッフの陣容をほぼ固めた。半世紀近くにわたって、国内トップリーグで奮闘してきた氷都・釧路のチームの参戦は2シーズン続けてない。北海道釧路のアジアリーガーとして活躍してきた選手らも散り散りとなった。 釧路の国内トップチームは、1974年の旧十條製紙の日本リーグ加盟以降、日本製紙クレインズ、ひがし北海道クレインズと受け継がれ49年間、トップリーグに参戦してきた。2022―23シーズン終了後、ひがし北海道の選手らは、給与未払いなどの問題で経営陣と対立、チームを離脱した。大半の選手が``受け皿、、を標ぼうした北海道ワイルズに入団したが、アジアリーグの規約上、23―24シーズンからの「即時」加盟はかなわず、切れ目のない参戦は途切れた。 ひがし北海道はアジアリーグを脱退。ホームリンクの釧路アイスアリーナに掲示されていたロゴマークなどは撤去された。北海道ワイルズは24―25シーズンのアジアリーグへの加盟申請をせず、拠点を首都圏に移し、東京ワイルズに改名して、選手14人で独自の活動を展開。25年からの正式スタートを目指す夏季公式戦「IJリーグ」を立ち上げ、参加チームを募っているが、日本アイスホッケー連盟がリーグ開催を承認していないなど、興行として成立するかは不透明な状況となっている。 契約更改の春を経て、移籍市場開始の初夏を迎え、選手たちはそれぞれの進路を決め、歩み始めた。23年3月までクレインズでプレーした選手のうち、東京ワイルズに所属しているのは、15年に日本製紙にともに入団した最古参のDF山崎勇輝選手とFW池田一騎選手をはじめ、GK脇本侑也選手、GK磯部裕次郎選手、DF河合龍一選手、FW青山晃大選手、FW寺尾裕道選手の7選手。 ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪男子3次予選で日本代表として戦った3選手は、そろってアジアリーグの所属チームに移籍する。ひがし北海道クレインズで主将を務めたFW大津晃介選手は栃木日光アイスバックス、DF大津夕聖選手はHLアニャン(韓国)、DF米山幸希選手は東北フリーブレイズにそれぞれ入団。日本代表入りを期し、五輪出場権獲得に闘志を燃やす。 FW矢野竜一朗選手とFW齊藤大知選手は現役引退。DF松金健太選手は海外挑戦で、5月からオーストラリアンアイスホッケーリーグ(AIHL)のシドニーベアーズでプレーし、今秋以降の所属については未定。DF葛西純昌選手とFW荒木翔伍選手は去就を明らかにしていない。 一方で、釧路でのトップチームの再構築に向けた動きが浮上しているが目立った進展はなし。現役続行を希望する選手や、来春以降に高校、大学を卒業する新人選手たちを受け入れるトップチームの発足のめどが立たないのが現状だ。氷都の斜陽化は止まらない。
釧路新聞