首都圏勢の優勝争い、そして「地方の逸材」を探す楽しみ。全日本大学野球選手権のみどころ
【2023年WBCメンバーで大学野球出身者】◆投手・大勢(関西国際/阪神大学)・今永昇太(駒沢/東都)・伊藤大海(北海道駒沢大/北海道学生)・栗林良吏(名城大/愛知学生)・宇田川優希(仙台大/仙台六大学)◆捕手 ・大城卓三(東海大/首都) ◆内野手 ・源田壮亮(愛知学院/愛知学生) ・牧 秀悟(中央/東都) ・中野拓夢(東北福祉大/仙台六大学) ・山川穂高(富士大/北東北) ◆外野手 ・吉田正尚(青山学院/東都) ・周東佑京(東農大オホーツク/北海道学生)
今の時代はインターネットを通してメディアはもちろん、ファンにも地方連盟の強豪校、有力選手の情報が届く。とはいえそのチーム、選手が全国の中でどれくらいの立ち位置にあるかは簡単に分からない。大学選手権は「地方の逸材」が全国レベルでどれだけやれるかを示す、チャレンジの場ともなってきた。
好守の内野手として評判が伝わっていた吉川尚輝(巨人)は2016年の大会で3番ショートとして大活躍を見せ、中京学院大学(東海地区)の初優勝に貢献。評価を不動にして、同年秋のドラフトは1位指名を受けてプロ入りを果たした。
2018年大会の伊藤大海(北海道日本ハム)も印象深い。苫小牧駒澤大学(北海道学生/現・北洋大)2年生だった彼は、1回戦で日本文理大学(九州地区)を相手に好投を見せて評価を上げ、侍ジャパン大学選抜入りを果たした。2回戦は慶應義塾大学相手にコールドで敗れ、全国再登場も果たせなかったが、大学選手権が東京五輪金メダル、WBC世界一に続く階段の大切なステップだったことは間違いない。
近年ならば隅田知一郎(埼玉西武)の登場は衝撃的だった。2021年大会に西日本工業大学(九州地区北部)のエースとして登場した彼は、1回戦の上武大学戦(関甲新学生)に先発。。ブライト健太(中日)のソロ本塁打で0-1と惜敗したが、全国上位レベルの強豪に14奪三振、1四死球、被安打1の快投を見せた。球速以上に変化球の質、制球が印象的で、やはりドラフト1位でプロ入り。1年目から埼玉西武の先発ローテーション入りを果たした。