ジブリっぽい? 山形市民会館の完成予想図がSNSで反響
まるでアニメに登場する大樹のよう――。2029年開館予定の山形市民会館をめぐり、整備事業の優先交渉権を得た業者の完成予想図が注目を集めている。でこぼことした形状など「話題性を呼ぶシンボリックな外観」が選考で評価されただけあり、インターネット上で反響を呼んでいる。 【写真】交差点右上の建物が新しい山形市民会館の予想図。施設周辺はイメージ=山形市提供 現・市民会館(同市香澄町)は開館から約50年たち、老朽化が進む。そのため市は七日町地区の旧県民会館の跡地への移転、建て替えを20年に発表。市が事業費を出し、民間が建設から運営や維持管理までを一括して担う方式を採用した。 事業者を公募したところ、2グループから提案があった。検討委員会は17社(代表企業・市村工務店)で構成するグループを優先交渉権者に決定。設計や建設、44年までの維持・運営の経費を含めた価格は171億4千万円の見通し。事業者が提案した予想図を7日に発表した。 予想図は木材で覆われたイメージで、緑化された箱形の空間を有機的に配置。通路が外から見えるよう工夫されている。市村工務店によると、建物全体を1本の大きな木に見立て、箱形の空間や屋上の緑は枝葉をイメージ。担当者は「街中のにぎわい創出のため、人々を呼び込めるようなデザインにした」と話す。 外観のデザインを担ったのは建築家で京都大教授の平田晃久さんで、群馬県太田市の市美術館・図書館などを手がけた。 検討委は「シンボリックな外観に込められた明確な設計コンセプト」をはじめ、中心市街地の回遊性を意識した点が「歩きたくなるようなまちづくり」に貢献すると評価した。 SNSでは、「オシャレ」「夢がある」「ジブリの映画に出てきそう」といった意見が寄せられる一方、周囲との調和や経費などの面で不安視する声も見られる。
朝日新聞社