『パーセント』最終回を終えて 南野P「また次の素敵なドラマを生むきっかけになれば」
NHK総合・BSP4Kにて放送されたNHK土曜ドラマ『パーセント』が6月1日に最終回を迎え、プロデューサーの南野彩子よりコメントが寄せられた。 【写真】伊藤万理華と和合由依 伊藤万理華が主演を務める本作は、ローカルテレビ局「Pテレ」を舞台に、「新しい時代のドラマ」を作るため白羽の矢を立てられた新人女性プロデューサーと、俳優を目指す車椅子の高校生が、お互いの存在に力をもらって、少しずつ前に進んでいく人間ドラマ。 伊藤が演じたのは、「障害のある俳優を起用する」という局の方針に悩みながらも向き合う、若手プロデューサー・未来。そして未来と出会い、ドラマ出演に挑戦する高校生・ハルを、オーディションで抜擢された和合由依が演じた。 最終回について、南野プロデューサーは、「本作が見ていただいた皆さまの心に何かを残せていたら、こんなにうれしいことはないなぁと思います」と視聴者への感謝を述べる。 エンディングの映像については、「それが当たり前になるような、あたたかい愛おしい未来を願って作りました」とその意図を明かし、「この一歩が、また次の素敵なドラマを生むきっかけになれば幸いです」とコメントを寄せた。 ●南野彩子(プロデューサー)コメント 土曜ドラマ『パーセント』ご覧いただきました皆さま、本当にありがとうございました。 未来もハルも、「自分」が大事にされなくて悔しい思いをしたり、「相手」を大事にできなくて歯がゆい思いをしたり。胸の痛いシーンも多く描いたので、単純に「お楽しみいただけましたか?」と聞いてよいものか迷っています。それでも、本作が見ていただいた皆さまの心に何かを残せていたら、こんなにうれしいことはないなぁと思います。 年齢や性別、障害や病気の有無、社会的属性などで自分の存在価値を測られず、「私」であるからここにいる。「あなた」であるから一緒にいたい。そう実感できる物語を届けたくて、このドラマは生まれました。 エンディングの映像は、それが当たり前になるような、あたたかい愛おしい未来を願って作りました。 このドラマの放送の少し前に、本作を一緒に作ってくれた大切な仲間である福角宣弘さんが亡くなられました。車いすユーザーのパフォーマーとして、障害のある人達が表現の世界で活躍するための道を切り開いてきた方です。未来が第1回で喫茶店に訪れるシーンで、店主を演じていただきました。「目線の高さを合わせて相手と向き合うこと」の大切さを教えてくださいました。放送をお見せできなかったことが非常に残念ですが、「こんな未来になるといいよね」と話してくださったあの思いが、このドラマの中に残せていたらいいなと感じています。 出演者・スタッフともに、思いをこめて作りました。この一歩が、また次の素敵なドラマを生むきっかけになれば幸いです。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。
リアルサウンド編集部