特殊な鏡で痴漢抑止 仙台市地下鉄でエスカレーターに試験設置
仙台市地下鉄駅構内の盗撮被害を防止するため、市交通局は青葉区の東西線仙台駅のエスカレーターに後方を確認できる特殊ミラーを試験的に設置した。通常の鏡より広範囲を映し出すことで、背後での不審行動の抑止効果が期待できる。来年3月末まで効果を確認した上で、設置数を順次増やしていく方針。 【写真】エスカレーター脇の壁に設置された特殊ミラー 特殊ミラーは縦33センチ、横23センチの大きさ。東西線のホームから東改札につながる長さ約40メートルの上りエスカレーター側の壁面に4日、計3枚をほぼ等間隔に設置した。「後ろに注意!盗撮は犯罪です」と書かれたステッカーも掲げた。 東西線仙台駅は1日平均約2万人(平日)が利用する。特殊ミラーを設置したエスカレーターは市地下鉄駅で最長で、所要時間は1分超。両側が壁で閉鎖的な空間になっており、交通局には盗撮の相談が複数寄せられている。 交通局によると、東北の鉄道駅構内に特殊ミラーを導入したのは初めて。全国の公営地下鉄では名古屋、福岡の両市が取り入れている。担当者は「鏡があれば利用者が自然と後ろを確認すると思う。警戒意識の向上や犯罪の未然防止につなげたい」と話した。 県警県民安全対策課によると、県内の盗撮認知件数は2022年140件、23年142件と減少がみられず、今年も1~10月末で93件に上る。 交通局は効果検証のアンケートへの協力も呼びかける。市ホームページの「みやぎ電子申請サービス」の専用フォームから回答できる。来年1月14日まで。
河北新報