英国とNZメディアもラグビーW杯準決勝直前のスパイ騒動・心理戦に注目「クリックベイト(SNSの広告誘導行為)だ」
事実上の決勝戦と言われるニュージーランド対イングランドの準決勝(26日・横浜国際総合競技場)に向けてのメンバー発表及び、両軍ヘッドコーチの会見が24日、行われたが、イングランドのエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチが2日前に発言した「練習が盗撮されていた」というスパイ疑惑を巡って互いに牽制し合った。ジョーンズは一度もニュージーランドの行為だとは言及してこなかったが、このスパイ騒動について海外メディアも興味を示し、それぞれが見解を交えて報道した。 英国の夕刊紙イブニングスタンダード紙は、「(NZヘッドコーチの)スティーブ・ハンセンがジョーンズのワールドカップ準決勝に向けた『挑発』に肩をすくめる」との見出しを取り、「ハンセンはジョーンズによるスパイ騒動でチームを『混乱させようとする』試みを一笑に付した」と報じた。ハンセン・ヘッドコーチの「土曜日の準決勝でオールブラックスと顔を合わせたときに4年前に惨いワールドカップの戦いを見せたイングランドにも多くのプレッシャーがかかるだろう」という談話を紹介した。 前大会ではイングランドは予選プールで敗退している。 記事は「ジョーンズは、火曜日、彼のチームのトレーニングをスパイが高層の建物からビデオ撮影をしており、かつて前例のないワールドカップ3連覇に臨むニュージーランドにプレッシャーのすべてがかかっていると主張した」と紹介。 「ハンセンは、この日の会見で、なじることなく、いつもおようにおどけた様子で話を切り出し、ジョーンズが自分で話したことを実際に信じているのか?と疑問を向けた」とし、ハンセン・ヘッドコーチの「もしそれに乗るならば、ただのマインドゲーム。我々はそれには乗らない。それについてはただ大笑いだ」というコメントを取り上げた。 その上で、「ハンセンは、ニュージーランドと同様にイングランドにも大きなプレッシャーがかかっていると信じている」とし、ハンセン・ヘッドコーチの「(スパイ騒動をぶちあげたことは)抜け目のない動きだったが、それには乗らない。選手たちも乗らない。我々はプレッシャーがかかっていることを理解しており、エディーが、そのことを我々に伝える必要はない。彼が、やらなければならないことはイングランドにかかっているプレッシャーを解決することだ。うまくいかなかった4年前の大会の記憶があるだろうから、とてつもないプレッシャーがかかっているだろう」という声を紹介。スパイ騒動は、イングランドにプレッシャーがかかっていることの象徴だという見解を示した。