岩隈のド軍白紙がマエケン争奪戦に影響?!
米国時間17日の昼間、日本の時事通信社、共同通信が相次いで、ドジャーズと総年俸4500万ドル(約55億円)で3年契約に合意に達していたFAの岩隈久志投手(34)との交渉は、身体検査の結果、球団側が獲得を見送ったというニュースを配信した。日本発の報道を受けて、米メディアも動いた。MLB.comなど複数の地元報道によると、身体検査の結果で交渉が難航しているのは事実だが、ドジャーズは契約内容の見直しを求めて、両サイドはまだ話し合いを行っていると報じ、17日の時点では、完全な白紙撤回ではない様相だ。 岩隈は、10月2日の今季最終登板戦でも7回106球を投げており、肩肘に深刻な問題を抱えていたとは思えないが、現時点で問題となった体の部位などの情報は明らかにされていない。ともあれ、6日に契約合意が報じられながら、球団が正式発表を控え、入団会見などの予定なども全く報じられていなかったのには、理由があったという訳だ。 もし白紙撤回となり破談となれば、日本のファンにはショックな話だが、実は、メジャーでは交渉が合意に達しても身体検査の結果で覆される例は珍しくない。2013年には、マイク・ナポリ一塁手がレッドソックスと契約した際、当初の契約は3年総額3900万ドル(約47億円)だったが、身体検査の結果、股関節に異常がみつかり、レッドソックスは1年目の年俸を500万ドル(約6億円)に抑えて、出来高で妥協点をみつけた。また、捕手ではなく、一塁専任と起用法も限定された。 2012年には、ヤンキースとマイナー契約を結んだ岡島秀樹投手が、キャンプ集合日の3日前になって、突然、左肩の異常が見つかったと通告され、契約を解除されている。本人は、左肩に何の違和感もなく、時期も時期だっただけに、岡島は相当に悔しがったが、メジャーにはこういうシビアな部分が時々ある。 念願の3年契約を一旦勝ち取った岩隈が、契約年数や年俸での見直し条件を飲むのか。急転、古巣マリナーズと再契約となるのか。岩隈側とドジャーズの今後の再交渉とその展開が気になるが、ここで浮上するのは、広島からポスティング制度を利用してのメジャー移籍を目指し、すでに公示の手続きを終えている前田健太投手(27)への影響である。