高木豊が注目するセ・リーグの有望選手4人 中日のタフな先発投手、12球団で「総合力が一番」のショートも
――ほかに気になる投手はいますか? 高木 先発転向に向けて調整を進めている巨人の西舘勇陽(1年目)にも期待しています。先発ローテーションなど、巨人ピッチャー陣全体のバランスを見ると、西舘に中継ぎの経験を積ませたのはよかったと思います。当初は先発で投げさせたかったんでしょうけど、先発の枚数がある程度足りていたのと、リリーフ陣が少々薄いという判断だったんでしょうね。 それと、西舘はコントロールがよくてボールの勢いがある。ストライクで勝負できるピッチャーなので、リリーフからスタートさせることになったのかなと。 ※8月14日時点の成績・・・26登板、1勝2敗、19ホールド1セーブ、防御率3.57、奪三振率7.15 ――リリーフでのピッチングを見て、やはり先発のほうが適していると判断されたのでしょうか? 高木 というよりも、長くリリーフをやれるような性格ではないんだと思います。真面目すぎるので、ひとつの失敗、ひとつの被弾をほかの投手よりも重く受け止める性格なんじゃないかと。なので、先発である程度"緩み"を持って投げさせたほうがいいと判断したんじゃないですか。 逆に、巨人はリリーフ陣が揃ってきたとも言えます。大勢とアルベルト・バルドナードがいて、高梨雄平、船迫大雅、カイル・ケラー、泉圭輔もいれば回るでしょう。 ――先発として、西舘投手にはどんなピッチングを期待していますか? 高木 今季に関しては、それほど先発の登板機会はないでしょう。来季以降、シーズンの始めから先発ローテーションで回れば、毎年ふた桁に届くくらいの勝ちは計算できますね。 【走攻守で期待の野手2人】 ――野手で挙げるとすれば? 高木 DeNAの梶原昂希(3年目)です。彼の魅力は打つだけではなく、走攻守が三拍子揃っていること。大柄だけど足もめちゃくちゃ速いですし、パンチ力もある。今は結果が欲しいのかバッティングが小さくなっていますが、本来のバッティングができるようになれば、狭い横浜スタジアムですしホームランも20本ぐらい打てると思うんです。フリーバッティングでは、かなりの打球をスタンドにたたき込みますしね。スケール感の大きい選手に育ててほしいです。 ※8月14日時点の成績・・・56試合、打率.330、出塁率.354、1本塁打、14打点、10盗塁 ――今季はすでに、キャリアハイの56試合に出場。今後、どれくらいの成績を期待できそうでしょうか。 高木 30盗塁以上できる足も持っているので、3割・20本・30盗塁くらいの成績を残してくれる選手になるんじゃないかなと。調子が落ちて打てなくなっても、僕は使い続けるべきだと思います。そうでないと、育っていきませんから。