能登半島地震から間もなく1年…写真で伝えたい美しい「能登の記憶」防災意識への啓発も(鳥取)
山陰中央テレビ
2024年1月に発生した能登半島地震から、まもなく1年となります。被災地の石川県珠洲市出身の写真家がとらえた地震発生前後の能登半島の姿を紹介する写真展が、17日から鳥取市で始まりました。 今にも崩れ落ちそうな電柱、そして家屋。辺りにはがれきが散乱しています。1月に発生した能登半島地震の被災地で撮影されました。鳥取県鳥取市のとりぎん文化会館で12月17日から始まった写真展「能登の記憶」です。 写真家・松田咲香さん: この辺りが全部、発災後に撮影したものなんですけど。 撮影したのは写真家の松田咲香さん。石川県珠洲市の出身で、地元を拠点に活動しています。会場では、珠洲市内を中心に震災前から約10年にわたって撮影してきた写真約50点が紹介されています。倒壊した家屋から能登の伝統工芸品・輪島塗の漆器が顔をのぞかせる様子や津波が襲う直前に貼りだされたと見られる伝言など、写真からは被害の大きさ、そして、当時の緊迫感が生々しく伝わってきます。 地震が発生した時、松田さんは珠洲市を離れていましたが、自宅は津波に襲われて倒壊し、保管していた約10万点の写真データが失われました。その後、東京の専門業者の支援でデータの6割ほどが復旧、震災前の能登の美しい風景や魅力も知ってほしいと、地元の珠洲市や東京などで写真展を開いてきました。 写真家・松田咲香さん: どこでも、誰でも、発災して、被災し得るということを伝えたいと思っていて、少しでも心の中にとどめていたら、何か地震とかがあった時に自分が取る行動も変わってくると思うので、そういうところを感じていただけたら。 この写真展は12月22日まで、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれています。最終日の22日には、松田さんのトークショーや地震前後の珠洲市を撮影したドキュメンタリー映画が上映されます。
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