通巻1,000号!「BRUTUS」編集長・田島朗が語る“雑誌メディアの傾向”「メディア誌自体として『男性誌』『女性誌』のくくりがなくなってきたのかも」
山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。3月12日(火)の放送では、雑誌「BRUTUS(ブルータス)」編集長の田島朗(たじま・ろう)さんが登場。同誌の写真へのこだわりや“不安だった特集”について語っていただきました。
◆特集内容の選定は「世の中の流れから」
1980年に創刊し、これまで多様な特集を組んできた「BRUTUS」が、2024年2月1日号をもって1,000号を迎えました。記念すべき1,000号では「人生最高のお買いもの。」と題し、秋元康さんや松任谷正隆さん、蒼井優さんなど、数々の著名人に取材をおこなっています。 今回の特集内容について、田島さんは「買い物って、それぞれの人生観・価値観が見えてくるから、そのばらつきが面白いんじゃないかなと思いますし、それをパラパラと見られるのが雑誌の醍醐味」と話します。また特集内容は多岐にわたりますが、定期的におこなっているものはなく「世の中の流れや気分から(都度決める)」と言います。 そして、写真にも並々ならぬこだわりがあり、「例えば、鳥羽水族館にメイとキラという大人気のラッコがいるんですけど、この2匹が(一緒に写っている写真を)撮れなかったら、この特集をやめようと思っていました」と明かします。
◆不安だった特集は?
ここで、れなちが「“実は(世間に刺さるかどうか)不安だった特集”ってあったりしますか?」と質問。田島さんは「(出版前は)いつも不安だし、心配です。ただ、なかでも“やり切ったな!”と思ったのが南極の取材」と答えます。 というのも、南極に向かう時点では、具体的な特集の内容が決まっておらず、決まった後から「一世一代の旅、その先の絶景へ。」との特集テーマを考えたそうで、このエピソードに「そんな逆パターンがあるんですか!?」とれなちが驚くと、「本当はダメなんですけどね」と苦笑いを浮かべる田島さん。 また“最近減ってきた”と感じるテーマは、ジェンダーを前面に出した特集だそうで、「“ジェンダーフリーな世の中だから『男とは?』『女とは?』を語っちゃいけない”というよりは、いまの時代に則したやり方があると思う。あと、(『BRUTUS』は)今も“男性誌”ではあるんですけど、うちの読者は特集によって女性のほうが多くなることもあるので、メディア誌自体として“男性誌”“女性誌”のくくりがなくなってきたのかもしれないですね」と推察します。 最後に、1冊あたりの情報量と厚みから「新入社員は、ついていくのが大変じゃないですか?」とれなちが伺うと、田島さんは「でも、いろいろなことに出会えますから。僕も新卒で『BRUTUS』に入り、当時は相当しんどかったですけど、楽しかったですよ」と振り返っていました。 (TOKYO FM「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」2024年3月12日(火)放送より)