〈スギ薬局が被害・韓国アヤシイ薬広告〉顧客相談室に電話をすると…正体不明の「かんせ」薬、韓国ネットでは“詐欺広告事件扱い”されていた
韓国で製造された「関節薬」をうたう錠剤が日本のドラッグストア・スギ薬局で売られているかのような動画広告がSNSで流れていることが発覚し、騒ぎになっている。この“薬”を巡っては、韓国のネットで「詐欺広告事件」と決めつけられ、パッケージに書かれた「顧客相談室」の電話は不通になっている。「日本の薬は効果がある」というイメージがアヤシイ薬の宣伝に悪用されているらしい。実態を取材した。 〈注意〉インチキ広告は韓国でも“詐欺事件”扱い…話題となった「かんせ」薬
「日本で1秒に3箱売れる」とインチキ映像が拡散
問題の薬らしい製品は1月3日、「韓国に住んで8年」という女性がXに「韓国人の友達に『この薬、日本で大人気なんでしょ??』って言われたんだけど、日本で一度も見た事ない。」とポストしたことで注目された。 ポストで紹介された薬は「かんせ 上」という不自然な日本語の名前がつけられている。韓国の検索サイトでこれと同じものを探すと、ハングルで「かんせつ」と書いた製品のホームページに行き当たる。関節を柔軟にする効能があるとうたっており、ハングルの名から日本語に翻訳するときに、なぜ「かんせつ」から「つ」を除いたのかは不明だ。 薬は「上」と「下」の2種類があり、「上」が膝、足首、股関節に、「下」が肩と肘、手首、腰に、それぞれ効果があると書いてある。30錠ずつの上下セットで割引価格67800ウォン(約7300円)となっている。 韓国語でつくられたインスタグラムの動画では、撮影者が日本のスギ薬局店内を歩き、商品棚に並ぶ「かんせ」を買い物かごに入れレジへ持っていく映像が流れる。そこに、 「効果がめちゃすごくて日本で1秒に3箱ずつ売れている、老人比率1位の国である日本の国民関節薬を紹介します」「とっても有名な日本の博士が開発してものすごい話題になりました」 「のめばびっくりするほど痛みが消えるとニュースにまで出た製品です」 「日本の薬は効果があることで有名じゃないですか。私も両親に贈ると『とっても良く効くからもっと買ってきて』と言われたんだけど、これを買いに日本に行けないと思っていたら、ちょうど“かんせつ”ブランドが韓国で販売を始めたんですよ」 というナレーションが流れる。 だが、動画に映るスギ薬局を運営するスギホールディングスの担当者は、「過去も含めてこのような製品の取り扱いはございません」と断言。商品棚にパッケージを勝手に置いたところを撮ったインチキ映像であることが確認できた。 日本でこの名の薬品や健康補助食品が許認可されたとの情報もない。