「逃げ道のない書き方をさせていただいているので…」今注目のホラー作家が明かす“怖いもの”を表現するときに意識していることとは?
山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。今回の放送は、ホラー作家の背筋(せすじ)さんをゲストに迎えて、新作「穢れた聖地巡礼について」(KADOKAWA)について伺いました。
◆注目ホラー作家の新作が発売!
背筋さんは、昨年Web小説サイト「カクヨム」に掲載した「近畿地方のある場所について」が話題となり書籍化。以降、ホラー作家の新たな旗手として注目を集めています。 れなちが背筋さんのことを知ったのは、自身が表紙をつとめた「小説現代」(講談社)の2023年8・9月合併号。そこには31人によるホラー掌編全59編が掲載されていましたが「背筋さんの作品は一番イヤでした、いい意味で(笑)」と明かします。 そんな背筋さんの新作「穢れた聖地巡礼について」が9月3日(火)に発売。本作について、「前作と違ってキャラクターを立てたり、人が考えている内面にフォーカスした作品を担当編集者さんからご提案いただいて。そこを意識して書いてみようとキャラクターを作り上げました」と解説します。 さらに「(メインキャラクターの3人は)イチから作りあげたというよりは、私のなかの一面を切り出したというか、“こういう性格は、こういうふうに話すよね”みたいな感じで、あまり作り込まずに書いていった感じです」とも。 ちなみに、ホラーが苦手なれなちは今作を読むために、あえて午後3時にファミレスに入って読んだそうですが、今作は舞台がファミレスだったため「大不正解でした(笑)」と告白。すると、背筋さんは「前作、今作と書いているときに思ったのは、怖いものを表現するうえで日常に接近しているほど怖いなと。ある種、逃げ道のない書き方をさせていただいているので(読む場所の)正解があったら、そこを逃していたことになるので、それはそれで私の手落ちなんです」と語ります。