桂春団治さん死去 法善寺横丁に筆をとった看板も
落語家の桂春団治(かつら・はるだんじ 本名・河合一 かわい・はじめ)さんが9日、心不全のため亡くなった。85歳だった。戦後の上方落語を支えた「四天王」(六代目笑福亭松鶴・三代目桂米朝・五代目桂文枝)の1人として、古典落語ひと筋で、多くの弟子を輩出するなど、上方落語界の屋台骨を支え続けた。
大阪市中央区の法善寺横丁へ足を運ぶと、春団治さんが筆をとった看板が掲げられている。織田作之助の小説「夫婦善哉」に登場することでも有名だが、この石畳が敷かれた道と木造の看板は夜になるとライトで照らされ、風情を醸し出している。これは東門で、反対の西門は、昭和の喜劇王である藤山寛美さんが書いたものが掲げられている。 筆者が看板を撮影中、通りすがりの近所の70代の男性が話しかけてきた。春団治さんが亡くなったことを知らせると驚きの表情を浮かべ「残念。体調が思わしくないというのは知ってたけど、そうなんか。なんというかあの、上品な感じというか、若いころよくみにいったわ。この看板はそうか春団治さんやなぁ。いや、ほんまに残念」と話していた。