「背に腹は代えられない」 自民党広島県連、政治資金パーティー開催
自民党広島県連は10日、広島市内のホテルで政治資金パーティーを開いた。県選出の岸田文雄前首相らが参加し、主催者によると約1千人が出席した。2週間前の衆院選では、自民党派閥のパーティーをめぐる裏金事件への対応が争点となり、与党は厳しい審判を受けた。それから間もないパーティー開催に、県連関係者は「党は資金の面倒を見てくれない。背に腹は代えられない」と話す。 【写真】政治資金パーティーであいさつする岸田文雄前首相=2024年11月10日午後1時6分、広島市中区、根本快撮影 この日、広島市中区のリーガロイヤルホテル広島で開かれたのは、自民広島県連主催の政治資金パーティー「広島政経文化講演会・懇談会」。一部非公開で、関係者によるとパーティー券は1枚2万円で、数千万円の売り上げ収入があったという。 政治資金パーティーは、収益を政治活動にあてるために開催される。自民党の派閥のパーティーでは、売り上げの一部を収支報告書に記載しなかったり、還流したりするなどの問題が発覚。議員らが立件され、派閥の多くが解散を決めた。10月の衆院選ではパーティーの規制強化策などが論じられた。 自民広島県連会長の平口洋衆院議員はこの日の取材に対し、「(開催は)前から決まっていた。そのままやるかどうかは検討したが、制度の枠内でできるだろうということ。県連が通常の政治活動をする上で、どうしても必要なものだ」と説明した。政治資金パーティーのあり方が問われた衆院選直後の開催については、「法律で認められている範囲内で開催しているので、問題はない」と話した。 透明性確保のため、パーティー券代は銀行振り込みのみで受け付けたといい、平口氏は「法違反にならないように、皆さんやったと思います」とも語った。 ある県連関係者は「党本部は県連の資金の面倒を見てくれず、自分たちで集めないと活動できない。自粛する県連もあるようだが、背に腹は代えられない。風当たりが多少強くてもやるしかない」と話した。(山中由睦、根本快)
朝日新聞社