船舶襲撃、インド洋・紅海で相次ぐ。イスラエル関係船、タンカーも
インド洋や紅海で船舶への攻撃や乗っ取りが相次いで発生している。24日にインド洋を航行していたコンテナ船がドローン攻撃を受けたと伝えられるほか、26日にはソマリア沖アデン湾でケミカルタンカーが何者かに襲撃された。いずれもイスラエル関係船という。 イスラエル系英国船主ゾディアック・マリタイムの広報担当によると、同社保有のケミカルタンカー「Central Park」が26日にソマリア沖約54カイリ(約100キロメートル)を航行中、海賊の攻撃を受けたと救難信号を発した。 英ベッセルズ・バリューによると、同船は2015年に建造されたリベリア船籍の2万重量トン型ケミカルタンカーで、インド東岸に向けて航行中だった模様だ。27日までに同船に乗り込んだ海賊とみられる者は下船。乗組員、積み荷、船舶のいずれも無事だった。 米軍は27日にSNS(交流サイト)のX(旧ツイッター)で、「Central Park」の救難信号を受けて海賊対処行動に従事する駆逐艦を派遣したことを明らかにした。現場到着後に解放を要求したところ、武装した5人が小型ボートで逃走したという。 米軍は現地時間27日未明、イエメンの親イラン武装組織フーシの支配地域から弾道ミサイル2発が発射されたことも公表した。駆逐艦とタンカーから約10カイリ離れたアデン湾に着弾した。船舶の損傷はなく、負傷者も出なかった。 パレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃を仕掛け、それに対しイスラエルが報復したことを機に、商船が標的になるケースが出ている。20日にはイエメン・ホデイダ沖で自動車船「GALAXY LEADER」が拿捕(だほ)された。武装組織フーシがSNSを通じて、イスラエル関係船を拘束したとの犯行声明を発表した。 フーシは「イスラエルに属する、またはイスラエルと取引する全ての船舶が標的となる」との警告も発した。今回の襲撃などにフーシが関与しているかは不明だ。
日本海事新聞社