新作『オーメン』のPRはやっぱり、西川のりおさんじゃなきゃ!【みうらじゅんの映画チラシ放談】『オーメン:ザ・ファースト』『ローマの休日 日本公開70周年 4Kレストア版』
みうらじゅんさんの前に近々公開される映画のチラシを大量にお持ちして、グッとくるチラシを厳正にピックアップ。映画本編は観ていないので事前知識はほぼゼロ、頼りになるのはチラシ内の情報(と妄想)だけという状態で語っていただく、言いっぱなしの映画チラシ放談です。(ぴあアプリ「みうらじゅんの映画チラシ放談」より転載) 【全ての画像】『オーメン:ザ・ファースト』『ローマの休日 日本公開70周年 4Kレストア版』
『オーメン:ザ・ファースト』
――今回の1枚目のチラシは、1976年の大ヒットホラー『オーメン』の前日譚『オーメン:ザ・ファースト』です。 みうら 『オーメン』っていうと、僕からしたら「ペック映画」でね。悪魔の子ダミアンよりも断然、グレゴリー・ペックさんの映画なんです。 僕は中学生のときにリバイバル上映で『ローマの休日』を観たクチなんです。すっかりハマって、いまだにラストシーンを思い出すだけで涙がこみ上げてくるくらいのノイローゼっぷりなんです(笑)。 ペックさんは、後に『ナバロンの要塞』っていう戦争映画に出て、ウチの中学では学園祭のときに上映されたんです。その後『マッケンナの黄金』っていうちょっとトンデモなマカロニウエスタンに出ておられて。荒野に大地震が起きて当時流行ってたパニック映画みたいになるんです。で、『オーメン』です。 『ローマの休日』の純情な新聞記者から始まって、戦争モノ、ウエスタンと、いろんな役を演じられましたが、とうとうオーメンで悪魔と戦うことになります。どんどん遠いところに行かれるなあ、と思ったもんです。 だから、この映画は『オーメン』よりさらに前の物語なんだろうけど、僕からしたら『オーメン』はグレゴリー・ペックさんの映画だってこと。そこをお忘れになっていないか、確かめたくて。 ダミアンの頭皮に浮き出した「666」の文字のことも重要ですが、やっぱりちゃんとペックさんがやった神父のマイナスワン的な、最初のエピソードが出てこないと困るんです! ――あの、『オーメン』のグレゴリー・ペックは神父じゃなくて、アメリカ人の外交官の役ですよね? みうら あれ、でしたっけ? すっかり忘れてました(笑)。てっきり十字架が突き刺さる神父だと思い込んでました。 ――突き刺さって死ぬのは、グレゴリー・ペックのところに警告にくる人じゃないですか? みうら そうでしたか? すいません。エラソーに言って(笑)。 ――オーメンは「前兆」って意味なんで、オーメンとペックが戦うわけじゃないですけど、聖なるナイフをもらって悪魔の子ダミアンを殺そうとはしてました。 みうら 何せ、公開当時、一度観たきりなんで(笑)。 そうそう。『オーメン』は大ブームでね。当然関西でも流行ってたんですけど、西川のりおさんが「オーメン!」ってギャグをしておられたこと、今急に思い出しました(笑)。 よく映画の宣伝でタレントを呼んでPRするのがあるじゃないですか。この新作の『オーメン』は当然、西川のりおさんじゃなきゃ。 ――もう公開されてますけど、西川のりおさんは出てなかった気がします。 みうら 映画の上映前の「前の席は蹴らないで」の案内のときに、のりおさんが「オーーメン!」って出てこられたとか? ないですか……。僕らの世代はさらに観たくなるのにねぇ(笑)。