証人2人が出廷 ドン・ファン殺害、知人女性と大学教授
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)の第8回公判が3日、和歌山地裁であった。知人の紹介で野崎さんと知り合ったという女性と、立命館大学情報理工学部教授の男性に対する証人尋問があった。 【「被告に覚醒剤売った」 ドン・ファン殺害 売人の男性が証人出廷の記事はこちら】 起訴状によると、須藤被告は2018年5月24日、殺意を持って、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で殺害したとされる。須藤被告は起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張している。 女性は、18年4月27日~5月21日に計3回、東京都内で野崎さんと会い、都度、一緒に食事をしたという。最後に会ったのは野崎さんが飼っていた犬が死んだ後で、6月に県内で開くお別れ会に来てほしいと言われ、そのための20万円を振り込んでもらったという説明をした。「初対面で『結婚してほしい』と言われた」「『奥さん(須藤被告)と離婚したい』と言っていた」とも話した。 教授は、建物内や地下街での位置情報を取得する技術(屋内測位)が専門で、須藤被告のスマートフォン内のヘルスケアアプリの記録について見解を述べた。二つのセンサーで歩行と階層を上がる行為を検知し、記録するというアプリの仕組みを説明した上で、事件当日午後の記録について「順調にデータが記録されており、信頼性は非常に高い」と語った。 公判では、検察側は「犯行時間帯は18年5月24日の午後4時50分~8時ごろで、須藤被告はこの間に少なくとも8回、野崎さん方の1階から2階へ上がった」と主張している。
紀伊民報