北京の地下鉄、外国のクレジットカード支払いに対応
【東方新報】北京市は、中国本土で初めて、ビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)のクレジットカードを所有する外国人を対象に、非接触型地下鉄料金支払いをスタートした。これは、世界に向けさらに開放を進めるための同市の取り組みの一つだ。 外国人は、14日から海外発行のマスターカードとビザカードを使って、地元住民と同じ料金体系で、北京市内の地下鉄全線を利用できるようになった。 北京市交通委員会の趙子竜(Zhao Zilong)副主任は「外国人はこれまでは現金で切符を購入するか、またはチケット販売所でカードを使って購入する必要があった。これから外国の方々は、地下鉄に乗るのに時間と手間が省ける」と説明する。 このサービスは、空港と市内をつなぐ西郊線と亦荘T1線を含む北京市の地下鉄27路線の490駅の全ての改札口で利用可能となった。北京市の地下鉄の総延長距離は836キロに及ぶ。 北京市は、先週市内で開催された「2024中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)」で発表したこの新たな決済イニシアティブ推進のため、地下鉄駅構内の2万点以上の設備を更新したという。 マスターカードのグローバルエグゼクティブバイスプレジデント兼中華圏総裁の常青(Chang Qing)氏は「この新たな施策により、北京市はロンドンやニューヨークなどの都市に続いて、公共交通機関の開放的なチケット販売システムの導入に成功した都市の一つとなった。10月には、国際カード会員向けの運賃割引イニシアティブも発表する予定だ」と述べた。 北京市は、新しい地下鉄の支払い方法のほか、8月には「北京通(Beijing Tong)」と呼ばれるオールインワンの旅行者用乗車カードの導入計画を発表している。 これは、バス、地下鉄、タクシー、一部のスーパーマーケット、観光地のチケット売り場での支払いに対応するプリペイド式の多機能カードだ。このパスは、空港、駅、地下鉄の駅にあるコンビニエンスストアで購入できる。 北京在住のフランス人学生ローナン(Ronan)さんは、公共交通機関のカードを一体化する計画は大いに歓迎すべきだと話す。北京を訪れた彼の友人は、中国の電話番号を持っていなかったため、公共交通機関で阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)の電子決済サービス「支付宝(アリペイ、Alipay)」が利用できず不便だったという。「アリペイ」は中国に住んでいる外国人にとって非常に便利なスマホ決済サービスだが、外国人の旅行者は使えないので、今回の新たな決済方法は有効だと感じている。 統計データによると、現在、北京市では約1万8千の商業施設で外国カードが使用でき、4つ星以上のホテルや主要な文化・観光施設には、全て外貨両替施設が備わっている。 今年1月から7月まで、北京市を訪れたインバウンドツーリストは、前年同期比227.9パーセント増の200万人近くに達している。 業務プロセスが改善され、支払い限度額が調整されたことにより、第2四半期に北京市を訪れた外国人によるモバイル決済の件数と金額は、第1四半期と比較して2倍に増加したという。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。