瀬戸康史、稽古期間中の大東駿介からの一言にプレッシャー「焦りがハンパじゃなかったです」
俳優の堤真一、瀬戸康史、大東駿介、浅野和之が9月9日に東京・世田谷パブリックシアターにて開催された「Bunkamura Production 2024/DISCOVER WORLD THEATRE vol.14『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』」初日前会見及び公開ゲネプロに登場。稽古時のエピソードなどを語った。 【写真】笑顔で手を振る浅野和之、大東駿介、堤真一、瀬戸康史…会見中も和気あいあいとトークを展開 ■キャリル・チャーチル氏の作品を2作連続上演 今回の舞台では現代イギリス演劇を代表する劇作家の一人である、キャリル・チャーチル氏の名作「A Number―数」と、最新作で日本初演となる「What If If Only―もしも もしせめて」の2作品を連続上演。キャストの実力をいかんなく発揮させることに定評のあるジョナサン・マンビィ氏が演出を手掛ける。 これが初共演となる堤と瀬戸は、「A Number―数」で2人芝居に挑む。人間のクローンを作ることが可能となった近未来を舞台に、秘密を抱え葛藤する父を堤が、クローンを含む3人の息子たちを瀬戸が演じる。また、「What If If Only―もしも もしせめて」では愛する人を失い苦しむ“某氏”を大東が、某氏の前に現れる“未来”と“現在”を浅野が、“幼き未来”(Wキャスト)と共に演じる。 上演前日ということで、今の心境を聞かれた堤は「長い稽古がありまして、いよいよ明日(初日)なんですけど、気持ちとしてはまだまだ稽古したいなという感じですね」と明かすと、瀬戸も「堤さんと同じようにもう半月ぐらいは稽古したかったなというのが正直な気持ちです」と同調した。 連続上演とはいえ「A Number―数」が約63分の上映時間に対して、「What If If Only―もしも もしせめて」は約23分ということで、大東は「(舞台では)あまり見ない2本立ての作品なんですけど、稽古期間も一緒で。ただ作品の尺で言うと僕ら半分以下ぐらいなんです。お二人は時間が足りないと言ってますけど、僕たちは割と十分たっぷりありまして。出し切った感じです」と堤&瀬戸を見てほほ笑み、浅野は「作品的には短いんですけど、もう(俳優を)何十年もやってきましたが、初日というのはいつも緊張しているので、明日はきっと心臓がバクバクしていることだと思います」と率直な気持ちを打ち明けた。 ■稽古前にはバレーボールも また、稽古時のことを聞かれると、稽古期間が一緒だからこそのエピソードも飛び出す。瀬戸が「僕たちがこれから『立ち稽古(まだ序盤の稽古)頑張るか』っていうときぐらいに、大東さんが『もう俺たちは通し(稽古のほぼ最終段階)なんで』っていう…言葉をかけて去って行ったのがすごく印象的で。そこからの焦りがハンパじゃなかったです」と苦笑すると、大東は「ごめんな(笑)」と謝罪。瀬戸はあらためて「それぐらいこの2つの作品ってシンクロしないようでどこかつながっているみたいな、不思議な感じです」と振り返った。 そんな中、浅野は「稽古が始まる前にみんなでバレーボールをやるんですが、それが一番楽しかったです。かなり盛り上がりました」と意外なエピソードを。「それでチームワークを作っていくのと、体をほぐすのと、心がほぐれていく。芝居をやる上においては非常に大事なことですから。そういう意味で楽しかったし、ためになっていたと思います」と回顧。 それを受け、大東は「結構一生懸命になって、声を出し過ぎて稽古前にバレーで喉つぶすかと冷や汗かいたことありました」とかなり真剣にやっていたことをうかがわせると、堤も「僕も次の日筋肉痛になってました」と吐露。大東はそのときのことを「堤さん、長く続いているときにだんだんトーンダウンしていきましたもんね(笑)。何回も堤さんの所に飛んでいくから」と振り返り、堤は「しんどーってね(笑)。次の日に階段上がったら何か痛いなって…」と、稽古前からなかなかの運動量だったことを伝えた。 「Bunkamura Production 2024/DISCOVER WORLD THEATRE vol.14『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』」は、9月10日(火)~29日(日)まで世田谷パブリックシアターにて上演。その後、10月4日(金)~7日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて大阪公演、10月12日(土)~14日(月)まで福岡・キャナルシティ劇場で福岡公演が行われる。 ◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)