鹿児島・与論町の大雨 この時期になぜ? 11月に異例の大雨特別警報発表
鹿児島テレビ
線状降水帯が発生し、11月に初めて大雨特別警報が発表されるという、異例の事態となった、与論町の大雨を振り返ります。 これは8日の午後、鹿児島県与論町に住む視聴者が住宅の周辺を撮影したものです。 正面に見える白い物は、軽トラックの運転席です。 その後、日付が変わった9日、奄美地方南部から沖縄本島地方にかけて線状降水帯が発生しました。 与論町付近では、9日午前1時までの1時間に、約120ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、記録的な大雨になりました。 そして、9日午前2時40分、気象庁は、与論町に大雨特別警報を発表。 11月に大雨特別警報が出されるのは、2013年の運用開始から初めてで、異例の事態でした。 約12時間後の、9日の午後2時、大雨警報に切り替えられ、復旧作業が始まります。 池田政昭記者 「県道623号線の土砂崩れ現場です。流れ出した土砂が完全に車線を塞いでいます」 与論町の幹線道路である県道623号線。 斜面から流れ込んだ土砂を重機で取り除く作業が進められていました。 浸水被害が集中した茶花地区では、立ち並んだ商店に泥水が流れ込み、住民らが濡れてしまった商品の片付けや泥水をかき出す作業に追われていました。 作業する住民たち 「まさかこんなすごいことになるとは」 「商品が全部売り物にならないので残念」 「車もあそこの(車体についた跡)線のところまで水没した」 こちらの住宅には、近くを流れる川から濁流が流れ込みました。 畳の搬出や住宅の基礎部分に溜まった泥水をポンプで排水するなど、雨の中復旧作業が続きました。 さらに、島の東部の古里地区では道路の崩落も。 秋が深まる11月に梅雨時期をはるかに超える規模の大雨となった与論町。 気象庁などによりますと、今回の大雨の要因について、高気圧周辺からの湿った空気が流れ込んだためとしていて、海面の水温が高く、より多くの水蒸気が発生していたことも大雨につながった可能性があるとしています。 今回の大雨による人的被害はありませんでしたが、11日午前10時時点で、床上浸水は与論町で20棟、床下浸水は与論町で9棟、和泊町では8棟確認されています。 与論町では、避難所の設置や生活必需品の供給などにかかる費用を、国と県が負担する災害救助法が適用されていて、復旧作業が進められています。
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