大ガス、LNG価格低下で最高益 6年3月期 「米シェールガスなどで原料調達多様化」
大阪ガスが8日発表した令和6年3月期連結決算は、最終利益が前期比約2・3倍の1326億円で過去最高となった。前期に高騰した液化天然ガス(LNG)の価格が落ち着き、調達コストが縮小。実際のガス・電気料金にLNG価格の下落が反映されるまで数カ月の時間差があるため、一時的に差益が632億円増加した。 前期に米国のLNGプラントで発生した火災による操業停止の損失を計上した反動も利益を押し上げた。売上高は、LNG価格下落でガスの販売単価が低めに推移したため8・4%減の2兆830億円だった。 7年3月期は差益の縮小を見込み、最終利益は前期比15・6%減の1120億円を予想する。藤原正隆社長は記者会見で、混迷する国際情勢を踏まえて「米国でのシェールガス事業などで原料の調達先を多様化する」との考えを示した。 また、二酸化炭素の排出削減に向けて兵庫県姫路市で8年の稼働を目指す、LNGを燃料とする「姫路天然ガス発電所」に言及。「再生可能エネルギーの稼働が安定するまでの移行期は、安定電源としてLNGを活用したい」と述べた。(牛島要平)