青森県内のDV相談 2023年度は最多1563件 恋人間の「デートDV」にも警鐘
2023年度、青森県内10カ所に設置された「配偶者暴力相談支援センター」に寄せられた、配偶者からの暴力(DV)に関する相談は1563件で、統計を取り始めた02年度以降最多となったことが県のまとめで分かった。相談者の内訳は男性16件に対し、女性は1547件で98.9%を占める。12日からは「女性に対する暴力をなくす運動」が全国でスタート。県男女共同参画センターの高橋一枝部長は「1人で抱え込まず相談して」と呼びかける。運動は25日まで。 県こどもみらい課によると、相談件数は20年度が1070件、21年度が1208件、22年度が1403件と、年に約150件ペースで増加。高橋部長は「コロナ禍の閉塞(へいそく)感が家族間で悪影響を及ぼしたのでは」と分析する。 高橋部長は数字に表れない、結婚前の恋人間で起こる暴力「デートDV」にも言及。「暴力は殴る蹴るなど身体的なもの-という考えが、気付きを妨げている」と警鐘を鳴らす。暴力には、身体的な行為のほか▽メールをチェックする、無視するなどの「精神的暴力」▽デート代を払わせる、仕事をさせないなどの「経済的暴力」▽性行為を強要する、避妊に協力しないなどの「性的暴力」-などがあるという。 「それらを暴力と分からず、愛しているから、あるいは愛されているからこそ-と勘違いすると、加害者も被害者もどちらも気付かないままエスカレートしてしまいかねない」と高橋部長。親や友人にも相談できず、1人で抱え込んでしまうケースもあるという。 高橋部長は「本当に愛しているのなら、相手の生き方を尊重して嫌なことはしないはず。知識を持った相談員が、当事者が望めばさまざまな形で支援する」と話した。