山下美夢有、五輪代表争い「楽しみ」好相性の大会で逆転パリ切符へ気負いなし
「女王」の看板はだてじゃない。国内女子ゴルフツアーで22、23年と2年連続年間女王の山下美夢有(22=加賀電子)が、ニチレイ・レディース開幕前日の13日、会場の千葉・袖ケ浦CC新袖Cで最終調整。残り2戦と佳境を迎えた大混戦のパリ五輪代表争いを「楽しみ」と話すなど、強心臓ぶりを示した。五輪出場権は24日付世界ランキングで決定。現在はわずかに圏外だが、逆転での切符獲得を予感させる余裕が漂った。 ◇ ◇ ◇ ヒリヒリするような状況とは裏腹に、山下は爆笑の連続だった。プロアマ戦後にパリのイメージを問われると「えー、どうですかね?」と、少し悩んだ。報道陣に「オシャレとか?」と水を向けられると「そうそう! そんな感じやと思います」と、手をたたいた。さらに「ファッションとか?」と続けられると「それです! まさに! オシャレなイメージがありますね」とノリノリ。五輪代表争いが激しくなる現状を「緊張もしますが、一番は楽しみ」と、まるで一ファンのような強心臓ぶりを見せた。 明るくなる理由はある。今大会は、昨年が完全優勝、一昨年も3位と相性抜群。「このコースはショットの精度が求められる」と、小さなグリーンは、ショットメーカーの山下を後押しする。今季は優勝こそないが2位が4度。国内ツアーの年間女王争いは、3勝の竹田に次ぐ2位で「全体的にまとめられている」と、3年連続の年間女王を視野に入れる。国内では7戦連続トップ10に入り、2週前の全米女子オープンも12位と上々。「調子はだいぶ良くなってきた」と、心身の充実をうかがわせた。 五輪切符は、全米女子オープンを制した笹生が“当確”。残るは1~3枠で、最新世界ランキングで19位古江、20位畑岡に次ぐ21位につける。五輪出場圏内の日本勢2番手に浮上するためには、残る2戦で逆転が必要。だが「行けるなら行きたいけど、目の前の1試合に集中することが大事」と、浮足立つことはない。「そりゃあ、優勝できたら最高だけど」と笑い飛ばし、気負いもない。古江、畑岡が待つ次週のメジャー、全米女子プロ選手権へ、最高の形で乗り込むつもりだ。【高田文太】 ○…今季3勝の竹田が、背中痛で棄権した前週からの復調をアピールした。この日のプロアマ戦後に「大丈夫。はり治療をして今は全然痛みはない」と、笑顔で話した。前週は第2ラウンド開始前に棄権。「アドレスでもう痛くて、振れなかった。知らない間に疲れがたまっていた。いい休養」と前向きにとらえた。次週は全米女子プロ選手権の予定。大逆転で五輪代表の可能性もあるが「難しいと思うので、そんなに考えてはいない」と冷静に話した。