スーパーコンピュータ「富岳」、国際的な性能ランキングGraph500で首位獲得 BFS部門で8期連続世界第1位に
理化学研究所、九州大学、フィックスターズ、日本電信電話(以下、NTT)、富士通による共同研究グループは、スーパーコンピュータ「富岳」が、大規模グラフ解析に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキング「Graph500」のBFS(Breadth-First Search:幅優先探索)部門で、世界第1位を獲得したと発表した。
なお、「富岳」としては8期連続で世界第1位となるとのことだ。
同ランキングは、現在米国コロラド州デンバーのコロラド・コンベンション・センターおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC23」に合わせて、Graph500 Committeeから11月14日(日本時間11月15日)に発表されるという。
今回共同研究グループは、「富岳」の152,064ノード(全体の約95.7%)を用いて、約4.4兆個の頂点と70.4兆個の枝から構成される超大規模グラフに対する幅優先探索問題を平均0.51秒で解析。
「Graph500」のスコアは、138,867GTEPS(ギガテップス)で前回(2023年6月)の性能から1,771GTEPS向上させたとしている。
大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析における重要な指標。
共同研究グループは、今期から高速グラフ解析に実績を持つNTTを加え、「富岳」の性能を一層発揮させるソフトウェア技術の検討を進めていくとのことだ。
■Graph500について
実社会における複雑な現象は、大規模なグラフ(頂点と枝によりデータ間の関連性を示したもの)として表現される場合が多いため、コンピュータによる高速なグラフ解析が必要とされているという。
例えば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでは、「誰と誰がつながっているか」といった関連性のあるデータを解析する際にグラフ解析が用いられる。