「電撃引退から10年」仕事がすべててだった林丹丹「この人の将来を見たい」決断の真相と結婚の決め手を明かす
人気ドラマ『交渉人~THE NEGOTIATOR~』などに出演し、活躍した俳優の林丹丹さん。仕事一筋の彼女でしたが、先輩俳優の生き方から価値観に変化が。結婚し、芸能界を引退した理由とは。(全3回中の2回) 【画像】「可愛らしさに大人の女性の魅力が加わった!」知られざる林丹丹さんのプライベートショットも(全10枚)
■俳優はいろいろな職業のなかのひとつ
──高校卒業後は、ほぼ毎クールドラマに出演されていました。かなり多忙だったのではないですか? 林さん:ありがたいことに、忙しくお仕事させていただいていた時期もありました。寝不足が続く日もあったし、自分の力不足に悩む日もありましたが、大変な気持ちよりもお仕事をいただけることへの感謝の気持ちのほうが大きかったです。 デビューしてからさまざまな人と接するようになり、自分の世界が広がっていく感覚もありました。「俳優の仕事が自分のすべてだ」と思うくらいやりがいを感じながら、仕事に打ち込んでいましたね。
── お仕事で経験を積むことで、視野が広がったのですね。 林さん:でも、20歳を過ぎたあたりから、「自分の世界はだんだん狭くなっているんじゃないか」と不安になってきたんです。デビューから無我夢中で働いてきて、ようやく気持ちの勢いが落ち着いてきた時期でした。
── どうして「世界が狭くなっている」と感じるようになったのですか? 林さん:当時は、勉強のためにいろいろな俳優さんのお話を伺ったり、インタビュー記事を読んだりしていたんです。どのお話も勉強になったのですが、学生や会社員など俳優以外の時期を経験した人のお話が、深みがあってとくにおもしろかった。演技についても、俳優以外のお仕事を経験されていると、より説得力があるなと感じました。
深みのある話も、説得力のある演技も、俳優の仕事しか知らない私にはない視点から生まれている。そう気づいたら、「私が知っている世界って狭いんだ」と思ったんです。 ── とくに印象に残っている方のお話を伺ってもよいですか?
林さん:感銘を受けた俳優さんは何人かいらっしゃるのですが、なかでも堺雅人さんのインタビューが印象に残っています。堺さんが学生のころを振り返りながら、俳優の仕事についてお話しされていたのですが、大学生活やアルバイトの経験も、その後の人生や仕事に大きな影響を及ぼすことに衝撃を受けました。 落ち着いて考えたら、当たり前のことかもしれませんよね。でも、俳優の仕事がすべててだった私にとっては、目から鱗だったんです。「俳優は、いろいろな職業のなかのひとつなんだ」と、気づくきっかけになりました。