ブラジル中銀が0.5ポイント利下げ-次回会合でも同幅の下げと予告
(ブルームバーグ): ブラジル中央銀行は20日、主要政策金利を0.5ポイント引き下げることを決め、次回会合でも同じ幅の利下げを実施する見込みだと表明した。6月からより小幅な利下げを実施する可能性も残した。
ブラジル中銀は政策金利(SELIC)を11.25%から10.75%に引き下げることを決定。事前のガイダンスに沿った動きで、ブルームバーグの調査ではアナリスト全員がこの結果を予想していた。今回の利下げを含めると、同中銀は昨年8月からSELICを計3ポイント引き下げた。
同中銀は声明で「不確実性の高まりと、金融政策運営における一層の柔軟性の必要性から、委員会メンバーは、シナリオ通りに進展した場合は次回会合で同じ幅の利下げを見込むと伝達することを全会一致で決定した」と説明した。
カンポス・ネト総裁率いる中銀は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降の物価高騰への対応で政策金利を6年ぶり高水準に引き上げた後、徐々に金融緩和を実施してきた。インフレ率は許容範囲の上限にあり、目標とする3%を早期に達成できそうな兆候はない。事を複雑にしているのは、食品価格の上昇や、ルラ大統領が公共投資の拡大を求めていることだ。
ガラパゴス・キャピタルのチーフエコノミスト、タチアナ・ピニェイロ氏は今回の決定発表前に、「もし実際に、基礎的財政収支目標の変更に伴う財政支出の大幅な拡大があれば、財政政策の信頼性が損なわれ、SELICの見通しも変わるだろう」と指摘していた。
中銀が実施している週間のエコノミスト調査によると、ブラジルの消費者物価上昇率は今年12月に約3.8%、来年末には約3.5%と予想されている。直近のインフレ率は4.5%。
原題:Brazil Lowers Rate by Half-Point, Opens Door to Smaller Cuts (1)(抜粋)
--取材協力:Giovanna Serafim、Veronica Vilarinho.
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Maria Eloisa Capurro