バイデン米政権、ウクライナへの対人地雷供与を承認
(CNN) バイデン米政権は20日までに、ウクライナへの対人地雷の供与を承認した。米当局者2人が語った。 【映像】ウクライナ侵攻1000日、衛星画像で見る戦争の傷跡 バイデン政権は先日、ウクライナ軍が米供与の長射程ミサイルでロシア国内を攻撃することを承認したばかり。 供与される対人地雷は、ロシア軍が前進を続けるウクライナ東部での使用を想定している。ロシアへの攻撃力としてではなく、ウクライナ領内の防衛線を強化するのが目的とされ、米国は民間人へのリスクを抑えるよう求めている。 承認の決断は、米紙ワシントン・ポストが最初に報じた。 米国は2022年2月にウクライナがロシアに侵攻された当初から対戦車地雷を供与しているが、これまで対人地雷の供与は控えてきた。 対人地雷は無差別に危害を加え、紛争終結後も爆発の危険性が長期間残ることから、人権団体などが使用に強く反対している。 バイデン政権は22年6月、トランプ前政権の方針を覆し、対人地雷の使用を制限すると表明。世界全体で対人地雷を減らす必要があるとして、米国は開発や輸出を原則中止し、在庫をすべて廃棄するよう努めるとの方針を示していた。 バイデン大統領は退任を数週間後に控えた時点で、突然方針を転換したことになる。 ただし米当局者らによれば、ウクライナに供与される地雷は4時間~2週間後に内蔵バッテリーが切れ、無力化するように設定できるという。 一方、ロシア軍はウクライナ侵攻の初期から対人、対戦車地雷を多用してきた。ウクライナ側に攻め込んで新たな防衛線を構築すると、そこに地雷原を設けてウクライナ軍の反撃を抑えた。ウクライナ軍による昨夏の反転攻勢で、あるウクライナ当局者は、ロシア軍が敷き詰めた地雷の密度を「正気ではない」と形容していた。