第93回選抜高校野球 下関国際、3年ぶり 県民に「元気を」誓う /山口
<センバツ甲子園> 第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会が29日、オンラインで開かれ、下関国際(下関市)の3年ぶり2回目の出場が決まった。夢舞台への出場権を得た選手たちは笑顔を見せ、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、地域の人々や県民に「元気を与えられるプレーをする」と誓った。【堀菜菜子、佐藤緑平】 1年生中心のチームで、昨秋の県大会準優勝、中国大会準優勝と成長を続けている下関国際に吉報が届いた。甲子園では2018年夏に先輩たちが成し遂げた8強以上を目指す。 午後4時過ぎ、大会本部からの選出の電話が鳴ると、山口和也校長は受話器を取った。「ご連絡ありがとうございます。謹んでお受けします」と丁寧に受話器を置くと、「センバツ出場が決定しました。ありがとうございました」と安堵(あんど)の表情を見せた。 山口校長はグラウンドで整列する選手たちにセンバツ出場を報告。賀谷勇斗主将(1年)は「出場が決まってほっとしている。相手は2年生中心だと思うが、1年生らしく元気を出して思い切って向かっていく」と甲子園での活躍を誓った。その後、マスク姿の選手たちは坂原秀尚監督を胴上げし、喜んだ。 ◇本紙号外計350部 下関市内で配布 下関国際のセンバツ出場を伝える毎日新聞の号外が29日、下関市のJR新下関駅に置かれた。新型コロナウイルス感染症対策のため、号外は例年通りの配布はせず、テーブル上から自由に取ってもらうことにした。 午後4時半、「下関国際に春切符」「成長続け8強超えへ」と見出しが躍る号外が積まれ、駅の利用客らが手に取っていった。市内の会社員、木村祐介さん(23)は「明るい話題でうれしい。どんどん勝ち進んでほしい」と喜んでいた。 号外は他にも、市内のホテルなどに計350部が置かれた。【柳瀬成一郎】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇下関国際高校 1964年に私立の下関電子工業高校として開校。全日制で2020年度から新たに設立した普通科(キャリアデザインコースとアスリートコース)と電子機械科(機械と自動車)の2科6コースがある。生徒数は272人(20年11月現在)。 野球部以外では、ウエートリフティング部が県強化育成拠点校に指定され、19年度中国選手権大会67キロ級・89キロ級・96キロ級で優勝している。野球部は65年の創部。05年に坂原秀尚監督(45)が就任して徐々に力をつけ、17年に夏の甲子園、18年にセンバツ初出場を果たし、その年の夏の甲子園で8強入りした。OBに元ロッテの宮崎敦次選手の他、体操の南一輝選手(仙台大3年)がいる。 〔山口版〕