辻梨恵、30歳悲願初Vへ2打差6位発進 フェアウエーキープ率最下位も「リカバリーとアイアンショットがうまくいった」/フジサンケイレディスクラシック
フジサンケイレディスクラシック第1日(19日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)ツアー初優勝を目指す辻梨恵(30)=大和証券=が3バーディー、1ボギー、2アンダーの69で回り、首位と2打差の6位と好発進した。前週優勝の竹田麗央(りお、21)=ヤマエグループHD=が67で単独首位。1打差の2位に上野菜々子(23)=コーナン=ら4人。昨年大会覇者の神谷そら(21)=郵船ロジスティクス=は6位で出た。 【写真】ティーショットを放つ竹田麗央。前週ツアー初優勝を果たした 心を尽くして、川奈に挑んだ。1月に30歳となった辻が、初優勝が見える位置で動き出した。 「ドライバーショットは曲がっていたり、(芯に)当たっていなかったり。リカバリーとアイアンショットがうまくいって、まとめられました」 ティーショットでフェアウエーを捉えたのは14ホール中4ホールだけ。キープ率28・5%はこの日単独最下位だ。それでいて3バーディー、1ボギーの69で、首位と2打差の6位発進に「120点」と笑顔を見せた。 8番(パー4)、ラフから残り127ヤードの2打目は、フライヤー(芝がフェースとボールの間に挟まって飛距離が出やすくなること)を考慮し、ピッチングウエッジでピン1メートルにピタリ。2つ目のバーディーを奪った。この大会11度目の出場で2014年には10位。「好きなコース」だ。 19歳になる2013年からツアーに参戦。優勝争いにも絡んだが、2季連続で守ってきたシードを18年に失った。その後は年下選手の台頭もあって苦闘。今大会は主催者推薦選考会(マンデートーナメント)を突破して本戦出場権を獲得した。 実家は神奈川・南足柄市にある臨済宗(円覚寺派)の長福寺。年齢を重ねた今の辻を支えているのは、幕末の長州藩で私塾「松下村塾」を営み、多くの志士を育てた吉田松陰にまつわる本だ。「心を尽くす」とのフレーズが、心に刺さる。心いっぱいのことを行い尽くすという意味。今大会にも本を持参している。 今季のシード全51人の平均年齢は26・1歳。辻は「自分はベテラン。勢いがある若手に負けないように」。大会は05年に会場を川奈に移して以降、10人の初優勝者が誕生。30歳が、これに続く。(石井文敏)