「値引き交渉がダルい」…Z世代のクルマの買い方と自動車販売新時代
先日、とあるZ世代の人とクルマについて話をしていたとき、「ディーラーにいくと1日潰れる。交渉次第で安くなったり高くなったり、コミュニケーション能力次第で何十万円も売買価格が変わるのはおかしい。一括で安くするか、そのぶんを性能に回すべきではないでしょうか」といわれ、なるほど一理あると感じました。 【画像ギャラリー】「値引き交渉がダルい」…Z世代のクルマの買い方と自動車販売新時代(5枚) 「新車を買うとはそういう(=ディーラーで営業スタッフと仲良くなって値引きしてもらう)こと」だと、筆者は思っていましたが、たしかにタイムパフォーマンスは悪いですし、自分がほかの人よりも損をしているのか得をしているのかすら、よくわかりませんよね。新車販売における、対面営業のいい面とそうでない面を考えてみました。 文:吉川賢一/アイキャッチ画像:写真AC_ACworks/写真:Adobe Stock、写真AC
オンライン完結の「KINTO」が若い世代に人気となっている
確かに、ディーラーの対面営業はダルいです。購入したいクルマの見積もりをもらうには、実際にディーラーへ行き、営業スタッフと話をする必要があり、一度見積もりをもらってしまうとロックオンされてしまうので、営業電話にも対応しなければなりません。そこからさらにお得に購入するためには値引き交渉が必要とか、考えてみれば、新車をお得に購入するのは、なかなか時間と話術と根気がいる作業です。 そのため、冒頭の若者のように考える人は若い世代に多いようで、トヨタ系のクルマのサブスクリプションサービス「KINTO」が若い人に支持されているのも、対面営業がなく、オンラインで完結することが理由だそう。「価格表示が分かり易いから」や「オプション選びや面倒な保険などのややこしい手続きが不要」、「クルマは使いたいけれど、趣味にするほど好きではなく、クルマに関して時間をかけたくない」というのもKINTOを選ぶ理由となっているようです。 「クルマを買うとはそういうこと」と考えている筆者も、以前はディーラーに行くのが苦手でしたし、営業スタッフとのやりとりを、面倒くさいと感じることはいまもあります。筆者はコミュニケーション能力が高いとはいえませんし(むしろ苦手)、タイパも重視するので、普段はもっぱらネットショッピングです。店員さんがついてくる洋服屋さんもあまり好きではありません。ましてやディーラーの営業スタッフは、話術に長けている人が多いので、初めて行くディーラーでは相手のペースで商談が進んでしまわないよう、かなり身構えて行きます。若い人だと相手の営業スタッフは多くの場合年上ですし、余計にそう感じてしまうのでしょう。