元僧侶に執行猶予付き有罪判決 弟子の尼僧にわいせつ 千葉地裁八日市場支部「絶対服従の関係利用し悪質」 被害者「声を上げた人には、よく言ったと守って味方になってほしい」
東金市内の寺で師弟関係を結んでいた尼僧の40代女性に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつの罪に問われた元僧侶の男(59)=同市=の判決公判が11日、千葉地裁八日市場支部であり、長尾崇裁判官は懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。 判決理由で長尾裁判官は「女性が絶対服従の関係にあるため拒絶できないことなどを利用した卑劣で悪質な犯行。動機も欲求を満たしたいという身勝手なもの」と非難。被告が犯行後に口止めと受け取れる発言をした点にも言及した。 長尾裁判官は公判の終盤で「被害者やご家族、社会、同業者に与えた影響の大きさを自覚して行動してほしい」と被告に声をかけた。 判決によると、被告は昨年7月7日、女性が当時の被告の立場を信頼して言動を拒絶できないことを利用し、女性の着衣をめくり上げて胸を触るなどのわいせつな行為をした。 判決後、取材に応じた女性は判決の量刑について「法制度の限界があるとは思うが、すごく少ないと思う。もっと重くても良い。私の件だけでなく、性犯罪の量刑がすごく低く感じる」と受け止めを語った。「性犯罪は目を背けられがちだが、被害者は悪くなく、触った人が恥ずかしいことをしただけ。声を上げた人には、よく言ったと守って味方になってほしい」と社会に訴えた。 同寺の所属する本門佛立宗宗務本庁(京都市)の広報局は、判決を受けた千葉日報の取材に「女性やご家族の心情を考えると甚だ遺憾」とし、今回の事件の行為を容認するような教義はないと説明。被告の進退については「逮捕を受けて住職と僧侶の資格を停止している。判決確定後に再調査を行い、審判調停審議会を開いて懲戒処分を決定する」と回答した。