最近のアメリカ情勢をみると決して絵空事でないのが怖い!『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。 【水先案内人 高松啓二のおススメ】 シビル・ウォーとは本来、南北戦争の事を指す。本作では大統領率いる政府軍とカリフォルニアとテキサスからなる西部勢力の内戦を描く。 戦場カメラマンのリーと仲間のジャーナリストは、ワシントンDCで大統領のインタビューをとりに行くためにニューヨークを出た。全米の紛争がニュース映像で流され、現実世界のようである。役者もリアル感のあるキャスティングをしている。特に若手カメラマンのジェシー役のケイリー・スピーニーは、次々と出くわす戦場の現実に戸惑い、鍛えられていく。中でも赤いサングラスの民兵は強烈で、なんのためらいも無く過激な行動をとり、銃所持が容易なアメリカの危険な闇を感じる。 何よりも耳をつんざくような銃撃音は異様な臨場感があり、観ているこちらも思わずビクっとする。この没入感こそが本作の特異なところである。さすがA24作品らしくシニカルでドライな戦争映画に仕上っている。最近のアメリカ情勢をみると決して絵空事でないのが怖い! <作品情報> 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 2024年10月4日(金) 公開 監督・脚本:アレックス・ガーランド キャスト:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニー