長野県松本市、本年度からインクルーシブ遊具導入
長野県松本市は本年度、障害の有無や年齢に関係なく利用可能な「インクルーシブ遊具」を、市郊外のアルプス公園に設置する。多様性を認める考え方の浸透や、遊具の老朽化による更新時期とも重なり、全国の自治体で積極的に導入する動きが広がっている。来年度以降は市内の身体障害者用駐車場や多目的トイレがある六つの公園にそれぞれ1基設置する計画で、令和8年度までに設置作業を完了する。 市議会9月定例会の一般質問で阿部功祐氏(誠の会)が9日に質問し、太田克彦建設部長が答えた。10日は神津ゆかり氏(まつも都)も取り上げ、利用者のニーズに合った遊具を選ぶように要望した。 アルプス公園には、老朽化した遊具など公園設備を更新する長寿命化計画に合わせて、インクルーシブ遊具1基を導入する。園内の子供冒険広場にあるトランポリンを更新し、3メートル四方の遊具を年内に設置する。マットの高さは30センチほどで、車椅子を使用したまま乗ることができる。低反発マットで誰もが安全に利用できる設計になっている。 来年度以降に導入する公園は、あがたの森公園(県3)、芳川公園(小屋北1)、庄内公園(出川1)、惣社公園(惣社)、倭公園(梓川倭)で、アルプス公園にはもう1基、トランポリンとは異なる遊具を設置する。これらの公園は老朽化した遊具の更新に合わせてインクルーシブ遊具に置き換える。 市は昨年11月に相模原市の相模原公園、今年5月に安曇野市の南部公園で開かれたインクルーシブ遊具の施設体験会を視察し、導入に向けて検討を進めてきた。公園緑地課の布山明彦課長は「障害の有無に関係なく、誰もが楽しく利用してもらいたい」と話している。
市民タイムス