有効期限が4月末の「通学定期券」、3月の大学卒業後に使うと「3倍」の料金をとられることも!?「うっかり」で違反しないための注意点を解説
卒業後も通学定期券の有効期限が切れておらず、「買い物などに便利だから使いたい」もしくは「4月から働く職場が同じ方向だからそのまま使ってしまおう」と考える人はいませんか? 実は通学定期券は学生でなくなると、有効期間内でも使えなくなるので注意が必要です。 本記事では、意外と知られていない通学定期券のルールについて解説します。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
通学定期券は卒業・退学後は使えない
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の旅客営業規則第168条には、「通学定期乗車券を使用する旅客が、その使用資格を失った後に使用したとき」には定期乗車券を無効として回収する」旨、定められています。 つまり通学定期券は仮に有効期間内であっても、卒業や退学をして使用資格を失うと使えません。使ってしまうと不正乗車になってしまうのです。 学校教育法施行規則によると、3月卒業の学生の場合は3月31日まで籍が残っているとされています。卒業式のあとでも3月31日までは使用資格があるので、通学定期券を使うことに問題はありません。 あまり知られてはいませんが、通学定期券を使う条件に「使用資格を有することの証明証(学生証)を携帯すること」があります。厳密に言えば、学生証を持たずに通学定期券を使用すると規約違反となってしまうため、注意しなければなりません。
通学定期券を不正使用すると3倍の料金が取られることも
さらにJR東日本の旅客営業規則第265条には、「無効として回収した場合には増運賃を収受する」と記載があります。 請求される金額は「使用資格を失った日から、無効の事実を発見した当日まで、その定期乗車券を使用して券面に表示された区間を、毎日1往復(または2回)ずつ乗車したものとして計算した普通旅客運賃と、その2倍に相当する額の増運賃とを合わせた額」です。 では以下のケースで考えてみましょう。 ●3月に大学を卒業 ●通学定期券の有効期間は4月末まで ●駅員に不正使用を指摘されて定期券が回収されたのが4月7日 ●通学定期券に記載されている片道の料金は1000円 資格を失った日から発覚した日までの普通旅客運賃と増運賃として請求される金額は、以下の計算のとおり4万2000円です。 (1000円×2(1往復)+2000×2(増運賃))×7日間=4万2000円 つまり、1日分の運賃が通常の1往復運賃の3倍請求されることになるため、たった数百円、数千円のために受ける制裁としては決して小さくありません。
【関連記事】
- ◆急な腹痛で「改札内のトイレ」を利用しました。入場料の支払いは必要でしょうか?
- ◆新幹線の「窓側指定席」を取っていたのに、子連れに「席替わってください」と言われました…。正直嫌なのですが、座席交換は問題ないのでしょうか?
- ◆タクシー代を「クレジットカードで払う」と伝えたら、露骨に嫌な顔をされました。運転手の人の給料が減るなど、なにか困るような理由があるのでしょうか…?
- ◆契約社員ですが、ボーナスは一律「3万円」です。正社員は「3ヶ月分」なのに不公平ではないですか? 仕事内容は同じです
- ◆「大型スーツケース」を新幹線に持ち込んだら「荷物代」を取られた! いつからこうなったの? 新幹線の持ち込みルールを解説