まさかの「能登半島を模擬攻撃」したロシアの「異常性」と、それを放置する「日本政府」
本年元日に能登半島を襲った大地震と津波の震災から3か月の節目を迎えた翌4月2日、ロシア空軍の戦略爆撃機(Tu-95)×2機とこの爆撃機のエスコート(援護機)と見られる(機種不明)戦闘機×2機の計4機が、ウラジオストック南方の日本海上空に出現し、真っすぐに能登半島に向かって南進し、能登半島沖合約150kmで西(右)に進路を変えて約150km直進した後、帰投した。 【写真】大胆な水着姿に全米騒然…トランプ前大統領の「娘の美貌」がヤバすぎる! この飛行パターンは、旧ソ連時代からTu-16爆撃機などによって頻繁に行われていた、(日本海側に所在する航空自衛隊の各レーダーサイトなどに対する)模擬攻撃飛行のそれと酷似している。つまり、今回ロシアは、わが国に対して、このタイミングで能登半島への模擬攻撃という「軍事的挑発行動」を行ったということである。
ロシアの本性
近隣諸国の善意に期待して、外交はすべて話し合いで解決できると信じる国民の方にとっては、この光景はにわかには信じられないような出来事に映るであろう。 しかし、ロシアとは、戦時平時にかかわらずこのような人道に背いた行為を平然と行い、場合によっては隣国の危機に乗じて領土を侵略すべく虎視眈々と機会をうかがっているような国家であるということを、あらためて肝に銘じて頂きたいと思うのである。わが国だけでなく世界の国の人々が、もっとこのようなロシアという国の本質を理解していれば、ウクライナへの侵略は予測できたであろう。 確かに、現在のロシアはウクライナ戦で手一杯であり、とてもわが国に侵攻する余裕はないであろう。このような時期でも、かかる行為を実行するのは、マフィアが警察官の家族に銃口をチラつかせて脅す行為に等しい。 即ち、敵対する同盟国の弱い(又は弱っている)国や地域を就くことによって、自らへの恐怖心を駆り立てようとするものだ。そして、それこそが抑止力だとの邪心を抱いている。
繰り返される悪行
実は、わが国に対するこのような卑劣極まりない行為は、これが初めてではない。2021年3月18日の拙稿 『今年の3.11にロシア空軍が日本を「挑発」していた…報じられない「全容」』をご覧いただきたい。 ここで述べたように、日本中が犠牲者への鎮魂の祈りを捧げていた東日本大震災10年目に当たる2021年3月11日、ロシアは、隠岐の島(島根県)北方の日本海上からオホーツク海を経て北方四島にかけてのわが国周辺空域において、空軍の戦略爆撃機(Tu-95)などによる「軍事的挑発行動」を行った。 この際は早期警戒管制機(A-50)を含み、爆撃機(推定)×4機及び戦闘機(推定)×4機の計9機が参加していたが、これはウクライナ戦争前で、極東ロシアの空軍機に未だ余裕があったことによる態様であったと見られる。 また、この拙稿の中でも触れたように、東日本大震災直後にも同様な挑発行動が行われている。 この際、繰り返して指摘させて頂く。 日本がポツダム宣言を受諾して無条件降伏したのを受けて、一方的に日ソ中立条約を破棄してわが国領土に侵攻し、その後旧満州、樺太、千島から約57万5千人のわが国の軍人等をシベリア等に強制抑留し、約5万5千人を死に至らしめた「ソ連」当時と、この国は本質的に何も変わっていないのだ。https://www.mhlw.go.jp/seisaku/2009/11/01.html