「勝手に脂肪燃焼する体」になる食事法とは?「2つの油」の活用術を管理栄養士が徹底解説
油脂の中で、健康やダイエットにいいとされている「ココナッツオイル」や「MCTオイル」。なぜいいかわからずに、とりあえず取っているという人もいるかもしれません。今回は、これらのオイルの特徴や両者の違い、活用法などをお伝えします。(管理栄養士 岡田明子) ● 「脂肪燃焼回路」を使うには ケトン体の産生が必要 そもそも、ココナッツオイルやMCTオイルは、なぜダイエットにいいオイルとして注目されているのでしょうか。 人間のエネルギーを作り出すメカニズムには大きく2つあります。一つは、糖質をブドウ糖に分解してエネルギー源とする「糖燃焼回路」。もう一つが、脂質をケトン体に分解してエネルギー源とする「脂肪燃焼回路」です。 通常私たちは「糖燃焼回路」をメインに使っていますが、糖質が不足すると「脂肪燃焼回路」にスイッチして、脂肪をケトン体に分解して燃焼するようになります。この流れを利用したのが糖質の摂取を減らす「糖質制限ダイエット」や「ケトジェニックダイエット」です。 ただし、このダイエット方法は体に負担をかけてしまったり、やり方を間違うと代謝が落ちて痩せにくい体になってしまう可能性も危惧されています。 「脂肪燃焼回路」を使って脂肪を燃焼するには、ケトン体の産生が必要です。ケトン体は体内にある脂肪から作られる以外に、食品として摂取する「脂肪酸」からも作られます。この働きをする脂肪酸を含むのが、ココナッツオイルやMCTオイルなのです。
これらのオイルを継続して摂取することで、ケトン体が作られやすくなるといわれています。糖質制限をしなくても(体内に糖質があっても)脂肪燃焼回路が働き、ダイエット効果もあるというわけです。 ● 消化吸収が早く エネルギーとして利用されやすい さらに、ココナッツオイルもMCTオイルも「飽和脂肪酸」に分類されます。飽和脂肪酸は、脂肪酸(炭素構成)の長さによって「短鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「長鎖脂肪酸」の3種類に分類されています。中でも、ココナッツオイルやMCTオイルなどに多く含まれる中鎖脂肪酸は消化吸収が早く、エネルギーとして利用されやすく、体脂肪になりにくいという特徴があります。 一方で、同じ飽和脂肪酸でも、牛脂やバター、ラードなどに多く含まれる長鎖脂肪酸は、中鎖脂肪酸に比べて消化吸収が遅く体脂肪として蓄積されやすいので、取り過ぎには要注意です。 ココナッツオイルとMCTオイルとでは、飽和脂肪酸の中に含まれる中鎖脂肪酸の割合が違います。ココナッツオイルは約60%なのに対し、MCTオイルは100%が中鎖脂肪酸でできています。MCTオイルはココナッツオイルにに比べてより効率的に脂肪を燃焼できます。 それでは、それぞれのオイルの特徴や使い方をみていきましょう。