市田柿「知って学んで」 上久堅小学校でつるし作業体験【長野県飯田市】
長野県飯田市上久堅小学校の4~6年生20人は19日、飯田下伊那地域の特産品「市田柿」のつるし作業に挑戦した。生産・集荷販売業者や組織、行政などでつくる市田柿活性化推進協議会から指導を受けながら、丁寧に進めていった。 市田柿に触れ、学んだり食べたりする機会を設けて消費拡大につなげようとする食育事業の一環。市田柿の生産開始から100年の節目に合わせて2020年に発足した協議会が、昨年度から本格的に取り組んでいる。本年度は同校を含めた4つの小学校で行っている。 前半、市田柿の歴史や栽培から加工の工程を動画で視聴。江戸時代には加熱して渋を抜く「焼柿」として親しまれていたことや、摘果や選定作業など1年を通して作業が必要なことを学んだ。 作業は校内の教室で行い、皮をむいてくん蒸した市田柿を1人5個ずつつるしていった。JAみなみ信州営農部果実柿課の男性職員(39)が「つぶさないよう優しく」「ほぞをクリップにしっかり差し込んで」などとアドバイスし、子どもたちは真剣な表情で作業した。 6年の男子児童(11)は「もちもちした食感とあまい味が好き。(つるし作業は)初めてだったけど楽しくできた」と話していた。 指導した男性職員は「まずは市田柿の歴史や作り方を知ってもらい、将来的に市田柿の生産に携わってくれる子が1人でも増えれば」と話していた。