ホンダとの準備は非常に順調……アストンマーティンF1のファロウズTD明かす「我々はこれまで、良い形で交流してきた」
2023年、表彰台の常連となるなど躍進を遂げたアストンマーティンは、2024年を戦うニューマシンAMR24を発表。これに伴い行なわれた記者会見でテクニカルディレクターのダン・ファロウズは、新たなレギュレーションが施行される2026年、そして同年からタッグを組む予定のホンダとの業務の進捗について明かした。 【ギャラリー】アストンマーティンが2024年F1マシン『AMR24』を発表 F1は2026年からテクニカルレギュレーションを大きく変更する予定だ。特にパワーユニット(PU)は、総出力における電力が占める割合が大きく増え、熱エネルギー回生システム(MGU-H)が廃止、さらに使う燃料もカーボンニュートラル燃料100%となるなど、大きく変わる。またこれに伴って、シャシーに関するレギュレーションも変更する方向で調整が進められている。 2026年からのシャシーについては、開発が解禁されるのは2025年の1月。つまり今は、開発に着手できる段階ではない。 「2026年には、大変な努力が必要になるだろう」 そうファロウズは語る。 「ただ来年(2025年)1月まで空力開発を始めることができないということは、色々な意味で現時点では”あまり考えなくてもいい”ということだ」 「しかしそれまでにやらなければいけないことはもちろんある。我々は現在、独自のギヤボックスやリヤサスペンションを設計しているわけではない。つまり我々は、そういうモノを社内で開発できるようにしなければいけないんだ」 現在メルセデス製のPUを使うアストンマーティンは、ギヤボックスやリヤサスペンションもそれに合わせてメルセデスから供給を受けている。しかし2026年からアストンマーティンのマシンには、F1復帰を果たすホンダのPUが搭載される予定で、ギヤボックスやリヤサスペンションをメルセデスから調達できなくなる。ホンダはギヤボックスやサスペンションを作っていないため、アストンマーティンとしてはそれらのパーツを内製せねばならず、そのための能力を構築しているというわけだ。 「その作業は現在順調に進んでいる。そして空力開発を検討することが解禁され次第、当然そこにリソースを注入していくことになる。今後2年間、そして2026年シーズンまでにどのくらいの時間を費やすことになるのかは、誰にとっても興味深い問題だ」 「でも先ほども申し上げたように、来年1月まではあまり心配する必要はないと思う」 その2026年から提携がスタートするホンダとの業務も、順調に進んでいるようだ。 「ホンダとの仕事に関しては、非常に順調に進んでいる」 そうファロウズは明かす。 「彼らと素晴らしい交流をしてきた。彼らはレースのための組織であり、非常に熱心だ。PUの開発も順調に進んでいる。そして、我々の開発も同じように進んでいることを確認するのに、非常に熱心だ」 「彼らの作業に非常に役に立つデータを提供できたと思っている。今のところ、関係性はとても順調だよ」
田中健一
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