「ふるさとの味なくなる」全国的な”手作り漬物”の廃業の一方で熊本では影響小さい理由 【6月1日改正食品衛生法】
法改正に伴い 生産者が「一から勉強」
キムチ生産者・吉本イソ子さん(77): 「高齢者はもう辞めなさいということでしょうか」と私は言った、保健所の方に。そうしたら「辞めないで続けてほしい、続けてもらうことを推進するのも私たちの役目なので」と言われた 熊本・錦町の吉本イソ子さんは60歳のとき専業主婦から一念発起して調理師免許を取得。「道の駅錦」で手作りキムチなどを販売している。新しいルールでは「HACCP」という国際的な衛生基準にのっとって消毒をしたり設備を整えたりすることが求められている。吉本さんも、法改正後に蛇口をレバータイプに変更。新たに次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒方法を一から勉強した。 キムチ生産者・吉本イソ子さん(77): 聞いたこともない次亜塩素酸とかHACCPとか色々出てきたもんですから、もう今が辞め時かとは思った。(しかし)辞めて何しようかとなったら、やっぱり自分にできる範囲で頑張ろうと 食中毒対策や国際化に対応する観点からより厳しい衛生管理が求められるようになった漬物づくりの現場。生産者の高齢化が進んでいることもあって今後を心配する声も聞かれる。 瀬崎商店・瀬崎哲弘さん: どうしてそんなに法律ばかりが先走るのか、小さな零細で作っている、でも自慢のお漬物的なものが消えていくのではという寂しさを感じる 道の駅錦くらんど市・荒毛則男館長: 人吉球磨でも上球磨中球磨下球磨で地区の気候とかでも全然味が違うし、ふるさとの味がなくなってしまって集中的な大きい工場で作った均一の味しかなくなるのではないか
熊本県内での影響小さいものの
熊本県によると、熊本県内は全国のほかの地域と比べると法改正の影響は小さいということだが、それでも現場を取材すると新しいルールに対応しようと四苦八苦したり、先行きを心配したりしている様子がうかがえた。 手作りの漬物を自分の店で販売している80代の方に話を伺うと、「高齢なので営業許可の更新はしていない。近々、店を畳まざるを得ないかもしれない」と話していた。今回の法改正の目的である「食の安全」はもちろん守られなければならないが、ルールが厳しくなることで長年愛されてきた味が地域から消えていくかもしれないという寂しさも感じる。 (テレビ熊本)
テレビ熊本