<ここに注目>攻守に優れる大垣日大 挑む只見は投手がカギ センバツ
◇第4日第3試合 大垣日大vs只見
春夏通算9回目の出場となる大垣日大が投打ともに勝る。左腕の五島幹士(3年)は打たせて取るピッチングが身上。遊撃の米津煌太(2年)を中心とした内野の守りの完成度は高く、五島とは相性が良いだろう。右腕の山田渓太(2年)は最速140キロを超える直球が魅力。阪口慶三監督のアドバイスで握りを修正したスプリットも武器で、奪三振能力が高い。 【歴代の21世紀枠出場校】 攻撃面では昨秋の公式戦9試合で30盗塁を記録しており機動力がある。広角打法が持ち味の4番・西脇昂暉主将(3年)は冬季は別メニュー調整だったが、ここに来て調子を上げている。今大会で「昭和」「平成」「令和」の3元号出場を果たす阪口監督の老練な采配にも注目だ。 21世紀枠で初出場の只見はロースコアの接戦に持ち込みたい。カギを握るのはエース格の酒井悠来(はるく、3年)と救援が予想される室井莉空(3年)の両投手。ともにカーブを軸にした緩急を使った投球を得意とし、大垣日大打線を術中にはめたいところだ。打線では主将の吉津塁(3年)に期待。昨秋の福島大会3回戦でランニング本塁打を放つなど、長打力、走力に優れている。【岸本悠】
大垣日大 筋力増した選手たち
昨年に喜寿を迎えたとは思えないほど精力的な阪口慶三監督に導かれ、4度目の春にたどりついた。 内野の守りは歴代8位の甲子園通算38勝を誇る阪口監督をして「この時期にしては、かなり良いものができている」と言わしめる完成度だ。 特に強肩が売りの遊撃・米津煌太(2年)が安定している。「目立つようなプレーじゃなくて、チームを助けられる守備がしたい」と語る。 チーム打率は2割9分5厘。キーマンとなる主将の西脇昂暉(3年)は昨秋の公式戦9試合で打率4割、1本塁打、5打点をマークした。阪口監督の孫、高橋慎(2年)も打撃センスがある。 かつては猛練習が代名詞だった阪口監督。ここ数年は筋力増を狙い、エネルギー消費を抑えるために、あえて練習量を減らした。狙い通り、この冬は各選手の体重が平均で5キロも増加した。一回りたくましくなった選手たちが、甲子園で大暴れする。